10年後を見てみたいジャンプ作品ということですが、
「ヒカルの碁」だったら10年と言わず一年後二年後(作中時間)でもいいなあ。
というのもそれまで一部の人にしか見抜けなかったヒカルの実力が、
ついにベールを脱ぐ――というところで連載が終わっちゃった気がするから。
佐為ショックで不戦敗が続いたため低段者の間でくすぶり、
北斗杯では大善戦して周囲を瞠目させたけど、なんだかんだで結果は二連敗。
世間は結果しか見ないし、
囲碁界でも棋譜を見るような人でない限りヒカルの真の実力は見抜けない。
だけどもうヒカルの力も評価もパンパンにふくらんだ風船のようになっていて、
それが連載終了直後の作中世界では
「パンッッ!!」と弾けたんじゃないかと思ってるんですよね。
御器曽プロのような下り坂のロートルではなく、
実力派の若手・中堅・ベテランを立て続けに連破し、
トッププロと互角以上に渡り合って、時には勝ち切ってしまう。
その実力は急速に認められ、塔矢アキラと互角とも目されるようになり、
二人そろって「囲碁界の破壊者」みたいに言われてたりして。
北斗杯後の若獅子杯を描いた読み切りでは、
ほんのちょっと、そんな雰囲気もあったしね。
だからそれこそ10年後なんて、二人とも確実にタイトルの一つ二つは持ってるだろうなあ。
何冠も持っていないのはそれこそ互いがいることだし(笑)、
倉田プロもいれば、おそらく脂の乗りきった世代だろう緒方さんもいる。
あと個人的に伊角さんがメッチャ強くなってるんじゃないかとも。
神の一手にはきっと届かない。
それは残念だけど、届くにはおそらく本当に神様にでもならないと無理だろうし、
またそれほどの高みであってほしい
(個人的に作中では誰も言わなかったけど、塔矢名人との一戦で佐為が静かに打ったあの一手が最も神の一手に近かったんじゃないかと思ってます)。
だけどヒカルとアキラがその一手に近づくため、
どこまで駆け登れるのか、どこまで近づけるのか。
それは見てみたい。
そして二人がたどり着いた場所をめざし、
それだけでなくそこを足場にして、さらに高みに登っていく者たちも見てみたい。
ヒカルやアキラも、
佐為や塔矢名人やその他のたくさんの人たちから得たものを足場に登っていったんだからね。
ついでに意地汚くちょっと宣伝ですが、
ヒカルとアキラの七年後、さらにその後の二次小説は書いたりしました(笑)。
初夏、秀策記念館にて
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4890991
七年後、既婚者になっている二人の「いつか」を描いています。
春、秀策生家にて
http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=4891243
佐為とヒカルの再会を描いています。