「機動戦士ガンダム 水星の魔女」第15話のネタバレ入りますよ。
みんな待ってたグエルくん回だったけど、想定以上に悲惨で、期待以上に優遇されてた(キャラとしての扱い的に)。
観終わった感想としては、みんなと同じように、グエルくんが王道主人公だった。
ていうか、制作者サイドも裏主人公として強く意識しているのかもしれないな。
「裏」っていうのが実はミソだと思ってます。
もしスレッタじゃなくグエルくんを「表」の主人公としてこのアニメを作ってたとしたら、たぶんここまでグエルくんを丁寧に描けない。
表主人公は、なんだかんだでモビルスーツで戦闘をしたり、その他の出番も多くなって、どうしてもある程度活躍させないといけない。
だけどそれはキャラクターの(この場合はグエルくんの)行動や心理を描くリズムというか流れを悪くしてしまうと思うんですよね。
グエルくんもモビルスーツには乗るけど、お父さんを殺しちゃったり、結局死にかけていた子供を救えなかったりと、ドンパチ的な戦いがメインではなく、グエルくんの心理や人生を形づくる流れの一つとして使っている。
ここまでのグエルくんは「傲慢で世間知らずのお坊ちゃま」→「連戦連敗からの転落と挫折」→「そこからさらにどん底へ墜ちる」→「再生と復活へのきっかけ」(イマココ)と、これはまさしく王道主人公の流れの一つ。
でもさっき書いたように、表主人公だと、この流れをここまで丁寧に流麗に描くのは不可能。
個人的にはここまでのグエルくんの展開は、完璧な意思の疎通とパスワークからシュートまで持っていったサッカーチームのような、制作側の陶酔感すら感じられるように思えるけど、それはさすがにちょっと言い過ぎかな(苦笑い)。
こうなるとグエルくんの物語をサイドストーリーとしてだけで終わらせるのも、もったいない。
ガンダムエースあたりで相応に実力のあるマンガ家さんにお願いして、グエルくん視点でグエルくん主人公のスピンオフ漫画を描いてもらえないかなあと期待してしまうよ。