タイトル通りです。
ネタバレ入ります。












人死にすぎ(泣)。
いや、人数という点で言えばもっとたくさん死んだ巻はいくらでもあるけど、
これだけ主要人物が死にまくった巻は初めてじゃないかなあ。
実は意外と本気で、相当ショックを受けてます(苦笑い)。

なにしろ20年以上のつきあいのある作品だから、
それこそ20年来の友人を失ったような感覚すらある。

トゥース、グラーゼ、ジムサ…
ザラーヴァントが死んだときもショックだったが、
十六翼将がそろった途端に連続して死んでゆく。
しかもザッハークとの決戦ではなく前哨戦で。
蛇王との戦いはパルス軍の全戦力との正面決戦というイメージがあったけど、
なんとなく「一騎打ち」の感が強くなってきたな。

そしてこれだけ人死にが出ると、次は誰が死ぬのかが怖くなるね。
第一部ルシタニア侵攻編の時に比べてありえないほど簡単に死んでいくだけに、
やはり第二部蛇王編の方が本編なんだなと実感しています。



今回は味方もずいぶん死んだが、敵方もかなり死んだな。
チュルク国王カルハナもあっさり崩御なさって(笑)。
でもイルテリシュとの一騎打ちで勇ましく死んでいったから、ちょっと意外だった。
やっぱり寝首をかかれるという死に方を想像していたからね。

ガズダハムもついに死んだか。
小物ながら最初期から出ていた魔道士だけに、ようやくという感もあるな。
あっさりというのに変わりはないが(笑)。
しかしザッハーク一党もグルガーンだけになって、
パルス側の死者の多さからも、
互いに防御を無視した殴り合い、殺し合いを演じている印象もあるよ。
あ、ナーマルドも結局あっさり死んだか。
ついでのように(笑)。

そして死んではいないが大転落のヒルメスだ(苦笑い)。
今回はナルサスが絡んでいないだけに、
やはりどうも詰めが甘いのか、運がないのか。
マルヤムであっさり死なないだろうね(汗)。
敵とはいえそれこそ最初期からのメインキャスト。
死なすには惜しい。

しかしなんだな、ラジェンドラ陛下はあんまり死にそうにないな(笑)。
いや、意外とあっさり死んでしまうかもしれないけど、
なんとなく「銀英伝」のビッテンフェルトやポプランのように、
作者の田中先生が「殺すつもりだったけど殺しそこねた」人物になるんじゃないかという気もしている(笑)。
どうも死者が出過ぎて陰々滅々しているところがあるから、
あの陽気な小悪党には生き残ってほしい気分もあるからね。


そんな風に死者続出で(ここまででいったい何回「死」って書いた(苦笑い))、
グラーゼの横死で海軍がアテにならなくなった中、
ついにダリューンがパルス陸軍総司令官である大将軍の職に就いたな。
べつにキシュワードだとダメというわけではないんし、
ダリューンは野戦の将軍という立場が似合っていると思ってもいたんだけど、
なんとなく「ついにきたな」という感覚が、自分でも意外なほど湧いてきている。
やはり本当に一番最初からアルスラーンに忠誠を誓い、尽くし、
武勇の点でアルスラーンの代表で中心で顔だったダリューン。
そんなダリューンだけに、
国王であるアルスラーンの武を名実とも完全に受け持つ立場になると
、「形が整った」感があり、有力な諸将が亡くなっていく喪失感と不安感が薄れる感覚もある。
そしていよいよアルスラーン勢とザッハークとの「一騎打ち」感も強くなるな。

こうなるとやはりナルサスにも宰相職に就いてもらわないといかんという気になってくる。
これまでは「宮廷画家兼副宰相」という、
曖昧で、一種シャレの立場がおもしろかったけど(苦笑い)、
ちょっとそうも言ってられない状況になってきたからな。
ダリューンもあきらめて覚悟を決め、
クバートも柄にないしめんどくさいことは嫌いと自覚しつつもエクバターナ城司の座に就いた。
ナルサスも逃げるのは、そろそろ卑怯と言われかねない状況になってきたからな。
国王アルスラーン、宰相ナルサス、大将軍ダリューン。
形の上でもこうなって、はじめてパルスはザッハークと正面切って戦う体制が整う。
そんな気もするよ。