本日は火曜日ですが秋分の日。
各地でJリーグがおこなわれ、FC東京もホーム味の素スタジアムへ
徳島ヴォルティスを迎えての一戦。
徳島はいま最下位だけど、
下のカテゴリー相手でも負けが珍しくないサッカーという競技で、
たとえ下位であろうとも同一カテゴリーのチームが相手だ。
舐めてかかるなどとんでもないという気構えで全員がのぞんだことだろう。
それは最初から最後まで感じられ、
同時にそれだからこそのこの結果だったろうけど、
まさかここまで理想的な展開になるとは思わなかったなあ(笑)。


FC東京は現在リーグ戦12戦負けなしではあるけど、ここ4試合は連続ドロー。
なんとか勝利が欲しいというのがまず第一。
そして勝ちというものを大前提とすれば、
今日は最初からいくつか「こうなればいいなー」「こうできればいいなー」というものもあった。
そりゃもちろんどんな相手にだって大量得点の無失点で勝ちたいというのはあるけど、
そういう漠然としたものじゃなく、もっと現実感のあるもの。


たとえば、こう言っては徳島には申し訳ないが、やはり現実的にうちの方が力量は上だ。
そして力量差があるチームが戦う場合、ある程度勝ち方にパターンがある。
上位のチームからすると、

・前半の、できれば早い時間帯に得点する。
・さらにできれば前半で追加点を取る。
・後半の早い段階でさらに追加点を取る。

この流れになれば、まず負けない。
逆に避けたいのは

・前半0-0、あるいは先に失点して終わる。
・失点の有無に関わらず、長い時間攻め続けながら無得点が続く。
・無得点のまま後半の深い時間まで来てしまい、そこで失点。

だから東京としては、
まずは「前半無失点」「前半最低1得点」が一つの目標だったと思うんですよね。


で、さらに、後半の早い段階で2点、3点が取れた場合、
ベンチにいる試したい選手を使う余裕が出来る。
今日は10番の梶山陽平くんはもちろん、9番の渡邉千真も観たかったですが、
一番出て欲しかったのはユースから来季加入予定、
二種登録でベンチ入りした高校生・佐々木渉。
でも渉を出そうと思ったら、スコアも展開もよっぽど余裕がないと難しい。
だからそこまで期待はしていなかったんだけど、
よっぽどの余裕が出来る展開になってしまったねえ(笑)。


とはいえ前半はやはり厳しい。
相手が元気だし対策も練ってきている。
順位のこともあるから引き気味にもなる。
こういう相手から点を取るのは世界中のどんなチームでも至難だからね。
まあそれでもポンと入ってしまうこともあるから、それはそれで期待してたんだが(笑)。
そしてその期待が実現しそうなチャンスもあったんだが。
エドゥ~~(爆)。頼むよ~~。アレをはずさないでくれよ~~。

徳島の選手がGKへのバックパスをミスって、エドゥーへまさかのプレゼントパス。
一瞬でキーパーとどフリーで1対1。
確かにミスしたDFが必死こいて戻っては来ていたが、
あそこで切り返しはいらなかったわな~。
より確実にと考えたんだろうけど、利き足と逆になってしまうし、
なによりもう一人が戻ってくる時間を与えてしまった。
利き足だったらあのまま素直に蹴っても
キーパーが届かないところに正確に転がせただろうにさあ~。

一つ不運だったのは後ろから走り込んできたよっち(武藤)が
エドゥーの切り返しでボールにかぶる動きになってしまい、
そこでエドゥーも躊躇してしまったように見え、
その分もう一人のDFが戻ってくる時間を与えてしまったというのはあったな。
でもあれはよっちは責められん。
あそこはよっちは仮にキーパーに止められても
こぼれ球を狙っての突進だったんだろうから。
だからこそ素直に蹴ってほしかったよ~。

今日のエドゥーは調子自体は悪くなさそうだったけど、
周囲との連携が噛み合わなかった印象だったよ。
だからボールは収まるし、いい動きはするし、
実際に連携的には1アシスト決めたし、PKは決めたしで、
仕事はきっちりこなしてるんだけど、
なんかチャンスを潰した印象の方が強くなってしまった(苦笑い)。
なんとなく感覚が合わない日だったのかもしれないなー。
個人的に最初のどフリーをはずした時は
「おまえ今日は1点取らないと許さんぞ!」とスタンドで怒ってたんだけど、
1ゴール1アシストでお釣りが来るほど結果は出してくれて、
だけどなんかびみょ~んな感じは残ってしまった(苦笑い)。


徳島はもうすっかりJ1に慣れてはいるけど、
いかんせん、やはり戦力が物足りないのが残念だ。
全体的に悪いサッカーをしているわけじゃないんだけど…
ぜいたくを言えばキリがないだろうけど、
せめて独力でなんとかしてしまえるFWが一人いれば、ずいぶん違うんだろう。
津田はいいFWなんだけど、
やはり使われてこそ真価を発揮する選手だろうし、
高崎も自分で決めるというより前で体を張ってチャンスを作る方が本領だろうからなあ。
そういう、一人で決めてしまえるFWがいれば、
もっと割り切って守ったりも出来るだろうし、
なにより「なんとか守ってれば前が決めてくれる」と守備陣が希望を持てる。
このモチベーションは馬鹿にならないからな。
今日は結局シュート数は2本だったか…
たぶん決定的なのは一つもなかっただろうし、
そこはうちの守備陣を誉めるところもあるだろうけど、それでもこれだとさすがに厳しい。
人様のことだからあまり偉そうに言うのはいけないかもしれないけど、
それでも別に落ちてほしいわけではないし、去年の昇格プレーオフにも行ったしなあ。
大塚製薬、もうちょっと金を出してくれれば…というのも身勝手か。


そして個人的、だけでなく
おそらくほとんどの人が認めるであろう今日のMOM、河野広貴!
1ゴール1アシストという結果もだけど、全体的に鬼神の如き活躍だったからね。
守備なんて前線で一番やってるというか、
ヨネ(米本)の次くらいに走ってるんじゃないか?
コーナー崩れでカウンター食らいそうになった時、
まず徳島のボールホルダーに向かって走ってドリブルで上がるのを牽制し、
さらにそこから走るコースを変えて相手のパスコースに入り、
地面を飛んできたパスをスライディングでカットしマイボールにしてしまう。
走るだけでなく頭も使った見事なディフェンスで、
あれはちょっと感動するほどだったよ。
よっちへのアシストも、パスだけでなくその前。
二、三人に囲まれても無理矢理ドリブルで引っこ抜き、
そこからの絶妙なスルーパスだったからねえ。
ドリブルとパスの使い分けも抜群だし、ちょっとありえんほどの確変が起こってるな。

今日一つだけ、不満というか注文をつけたいところがあるとすれば、
後半うまいこと抜け出してドリブルで上がり、
相手も人数そろってないからぽっかりシュートコースが開いてたのに、
エドゥーへパスしちゃったところか。
ピッチ上ではそこまでコースがなかったのかもしれないし、
もっと違う事情もあったのかもしれないが、
そうじゃないならあそこはミドルを打ってほしかった。
河野の技術ならきっちりコース狙えただろうし、
そうじゃなくてもキーパーが弾けばエドゥーがこぼれを押し込めるだろう位置にいたしね。

それはそれとして、自分としては「河野東京」コールはもうしたくないところがあるな。
もう河野は完全にうちの子!(笑)
返せったって返しませーん(笑)。
河野が自分で帰りたいというのは止められないかもしれないけど…(泣)
それでも必死にすがりつくのは必定ですがな(笑)。


よっちもよく決めた。
今日のよっちはエドゥー同様、調子はよさそうなのに何か消えてる時間が多かった(苦笑い)。
いやエドゥーは消えてなかったけど、よっちは前半目立たなかったな。
相手が集中力のある状態で引き気味となれば、
ドリブル仕掛けるスペースはないし、
連携もうまくいかないしというのもあっただろうし、
今一番注目される選手でもあるから、
相手もチーム戦術的なことだけでなく
「コイツに決められるとニュースで何度もリプレイされる」というのもあるだろうし(苦笑い)。
特にドリブルを止められた後のパスが今日はよく引っかかっていた。
股抜きのパスなんてほとんど通らなかったんじゃなかろうか(苦笑い)。
相手にもそのあたりのクセも研究されてるんだろうな。


さて、なんだかんだで後半早い時間帯に2点をリードし、
エドゥーもお役御免で千真(渡邉)に交代。
そしてよっちのゴールで3-0になったところで河野に代わって10番登場。
いやー、やっぱり10番は格が違うな。
そのままトップ下に入ったけど、
なんか以前より存在感やプレーの厚さが増してないか?
長い時間スタメンからやってみるとどうなるかわからないけど、
ワンタッチのパスで素早いリズムを作り、絶妙なスルーパスを通す。
相手からすると真ん中で自由にさせたらちょっと手が着けられないだろうな、あれは。
このまま完全復活ではなく、スケールアップして帰ってきてくれたら、ロシアも間に合うはず。
今日もしっかり千真の4点目のアシストを決めてたしね(笑)。
しかしあれはなんだ、3点目の河野-よっちとまったく同じ形だったね(笑)。
スルーパスで飛び出し、ヨコに流れてキーパーをかわし、シュートを決める。
徳島のキーパーは早めに倒れるからああいう動きが効果的という情報もあったのかもしれないな。


そして梶山くんの復帰でケツに火が着いた気分なのが秀人(高橋)なんだろうなあ。
いや、プレー自体は全然悪くない。
というか守備に関しては10番より上だろうと思う。
しかしやはり攻撃に関しては、どうしても見劣りしてしまうからなあ。
今日も何度かパスをインターセプトされていたし、
「10番なら通すぞ」と、ついこちらも考えてしまうところがあって、
申し訳ないような気分にもなるんだけども。
マッシモさん(監督)の考えがどう転ぶかで、
アンカーのスタメンも変わってきてもおかしくない状況になってはきたな。
もっとも、今日みたいに10番はトップ下で使うというのなら、
ポジション争いも無風になるかもしれないけど(笑)。
河野がスタメンで10番が途中交代という流れなら、それはそれで。
だけど10番は、ある程度余裕持たせてボール扱わせた方が真価を発揮するし、
下がり目の中盤が一番いいっていうのはあるしなあ。
うーん…


ヨネ(米本)は今日も分身の術を使ってんのかってくらい走りまくってくれてたけど(笑)、
交錯して倒れた時はさすがに血の気が引いたよ。
あれは足とかじゃなくて頭を打ったりしたのかな。
それはそれで心配だが、でも神様にはもう、
ヨネは一生ケガしなくていいでしょうとお祈りしたくなってしまうところですよ。


で、ある意味今日の主役(笑)。
3-0でリードした状態での後半40分、ついに佐々木渉くん登場(笑)。
個人的には出番があるにしても、
後半ロスタイムの辺りに時間稼ぎのついでで
ちょっとだけ味スタのピッチを体感させる程度の出場かなと考えてたんですが、
ロスタイム4分も含めて約10分と、思った以上に時間を与えられていた(笑)。
本来はMFらしいけど、よっちとの交代でそのままFWに入っていたな。
もっとも、この際出られるならどこでもよかっただろうけど(笑)。
インタビュー聞かないとわからないけど、
見た感じはさすがにちょっとテンパってたようだったが、どうだろう(笑)。
プレースタイルは、まだ線は細いけど、
タマ(三田)に似たタイプのシャープな動きをする選手だと感じました。
正直、とにかく走ってればいいと思ってましたが(笑)、
思った以上にボールに触る機会も多かったし、
上々の味スタデビュー、トップチームデビューだったんじゃないでしょうか。
シャーもやれたし、来年はまたさらに一緒に楽しもう。
というか楽しませてくれ(笑)。

そういやよっちもシャーが出来て、メディア的にもよかったな(笑)。
千真もやってやりたかった…



トクさん(徳永)も今日は攻撃も積極的だった。
思うところがあってくれるとうれしい。


羽生先生も今日もとてもありがたい、いてほしいところにいてくれるナイスなプレーでした。
終了近くのシュートもよかった。
枠に行ってくれるとさらによかった(笑)。


そんなこんなで、試合前に考えた
「こうなればいいな(勝てるし選手も試せる)」という想像通り、理想通りの勝利は、
ちょっと珍しいくらいだった(笑)。
大量得点で勝つことはあるけど、
それでも結果としてそうなったというのがほとんどで、
内容や展開まで試合前に考えてた理想通りというのは、
年に一度どころか、数年に一度か二度というくらいだろうからね(笑)。

そして、間にワールドカップの中断期が挟まっていたとはいえ、
前回徳島とアウェイで対戦してからリーグ戦13試合連続負けなし。
4試合連続のドロー地獄からも脱することが出来たな。
今日負けてたら「4試合負けなし」が
「4試合勝ちなしのうえ敗北」という評価になってたかもだから、
イメージ面からしても勝ててよかった(笑)。
そして徳島には申し訳ないが、ドロー地獄4試合の相手は、
やっぱり実力的にも上位陣だったんだなーと、今さらながら確認する思いですわ。
そういうチームとまがりなりにも互角の結果を続けてこられたんだから、
順位はともかく自分たちに自信は持っていこう。
どこまで登れるかわからないけど、一つ一つ目の前の試合を戦って、
最後に顔を上げた場所、順位がどこになるか。
そこを目指していってみよう。