今回は何も考えずに書いてたら取りとめもまとまりもなくなっちゃいました(照)。

今シーズン、FC東京の観客動員数は上がっている。
去年の平均観客数が25,187人で、今年は8/16までで一試合平均が28,171人。
特に去年2回だった4万人越えの試合が、今年はすでに3回もある。
この要因で「武藤効果」を上げられることが多い。
ただ個人的に、まったく効果がないとは言わないけど、
そこまでよっち人気だけが理由とは思えないんだよね。
それだったらほぼ確実によっちが出場する(した)、
つまり7月までのほぼ全試合の観客数が上がってるべきだけど、
例年通り2万人台前半の試合も多いし、時には2万を切ることもあって、そんなこともない。
明らかによっち効果といえるのは、1st最終節、よっちのラストゲームくらいじゃないかな(41,363人)。
それじゃ何が観客動員数を増やしているのかといえば、
2ステージ制と、なにより勝利による高順位のためなんじゃないかなと感じています。


今年4万を越えたのは、よっちラストゲームの他は、
川崎フロンターレとの多摩川クラシコ(42,604人)、そして鹿島アントラーズ戦(42,070人)。
タマシコは両クラブとも根づかせるために力を入れているから例年観客数は多いけど、
今年はいつも以上だった。
理由を考えると、やはり両クラブとも上位進出を狙える位置にいて、
「直接対決」の意味合いが強かったんじゃないかと思う。

フロンターレに勝利した次の試合がホーム鹿島戦で、
鹿島はこの時期調子悪かったけど、
鹿島戦の次が首位を独走中の浦和レッズとのアウェイ戦というのが大きかった。
鹿島に勝って勝ち点差を広げさせず(できれば縮めて)、
さらに浦和に勝てば、優勝が現実味を帯びてくる。
それだけに落とせない試合という意識、
優勝のためにものすごく大切な試合という意識がみんなにあったからこそ、
鹿島戦にこれだけの人が集まったんだと思う。
残念ながら負けてしまい、そのせいもあったか次の浦和戦は惨敗だったけども(汗)。


で、ここまで「上位」とか「優勝」とか書いてますが、
この場合、年間順位を考えてというよりは、
みんな(ぼくも)「1stステージの上位・優勝」を考えていたと思います。
「年間最多勝ち点(実質優勝)のために」とももちろん考えてはいたけど、
自覚・無自覚に関わらず「1stステージ優勝」を一つのゴールとして意識せざるを得なかった。
少なくともぼくの中では、そういう意識がありました。

そしてそれは、FC東京の応援はしているけど、
普段それほど味スタまでは行かない、行けない人たちも同様で、
彼らのサポーター魂を喚起し、「これは応援に行かないと!」と味スタまで足を運ばせたんじゃないかなと。
この場合「1ステージ制の前半の1試合」では、
たぶん「味スタに行こう」とまではならなかったんじゃないかと思います。


この辺はぼくの「印象」であって、明確なデータがあるわけじゃないです。
データも最低でも今シーズン終了時点くらいまでの分は必要だろうし、
本当に効果があったかどうかを確かめるには、数年分のものがいるでしょう。
そして確実に効果があったとの結論が出た場合、
1ステージ制に固執していた人たちは、それなりの自戒はしなければならないかもしれない。


いや、なんだかんだでぼくも1ステージ制の方がいいです(苦笑い)。
2ステージ制の導入が言われ始めた頃は「おいおい、ちょい待てや」という気持ちがほとんどだった。
が、いろいろ話を聞いて(読んで)いけば、
一方的に反対するわけにもいかないなという考えにもなってきます。


ぶっちゃけ「カネがない」の一言が理由になるわけだが(苦笑い)、
決して軽視していい理由でも、蔑視していい理由でもない。
カネがなくてもできることはあるけど、
なければ効果的に、広範囲におこなえないこともたくさんある。
「カネカネ言うのは汚い。人間的に劣悪だ」というのは、
「私は現実を見てません。見る能力がありません」と声高に宣伝しているところもあるでしょう。


もちろんJリーグ関係者が集めたカネを横領・着服して不当に私腹を肥やしたり酒池肉林をしてるというなら、
それは言語道断、徹底的に糾弾して罰するべきだけど、そういう事実はあるんだろうか?
また「これこれこういうことをするためにお金を使っています」という公式発表が実際にはおこなわれていない、
という証拠があるんだろうか?
ぼくにはそういう捜査能力・調査能力はないし、
まして発表された収支決算書の数字を見て「これはおかしい」と見極める能力もありません。
「~に違いない」「~に決まってる」は証拠ではなく思い込みにすぎない。

おこなわれている事業が功を奏するかを確認するには数年、十数年を待たなければならないものもある。
育成なんかその最たるものだけど、その他の事柄だってその要素が多いものもあるでしょう。
「Jリーグがやってることは害悪ばかりだ」と言わんばかりに非難する人たちは、
そのあたりの「未来予測」ができる能力があるんだろうか。


Jリーグに限らないけどサッカーの大きな収入源の一つは放映権料だそうだ。
日本においては、やはり地上波が最も重要な場所になる。
民放キー局のスポーツ中継については、ぼくも言いたいことはいくらでもありますが(苦笑い)、
腐っても鯛というのもまた事実。
サッカーに興味がない人が、
最もサッカーに触れやすい機会は民放キー局のサッカー中継だろうからね、
そこを無視していいわけがない。


だけど今のJリーグだと、
民放キー局に売りやすい「この試合を放送すれば視聴率が取れますよ」という「セット商品」が乏しい。
この場合、対象にしてるのはあくまで「サッカーに興味がない人」なので、
ぼくらサッカーにどっぷり浸かって生きている人間を基準に考えないこと。
そうすっとやっぱり一番売れそうなのは「優勝決定戦」になるだろうな。
でも1ステージ制の場合、どの試合でどのクラブが優勝するかがわかりにくい。
特にJリーグは実力が拮抗しているだけに、2元中継、3元中継までしないといけなくなることも珍しくない。

ぼくらはこの「最終節のタイムアップまでどこが優勝するかわからない」というのがおもしろいわけですが、
興味ない人にとっては煩雑なだけだし、テレビ局も負担が大きいわりに視聴率が取りにくくてうまみが少ない。
とすれば「チャンピオンシップ」というセット商品がテレビ局にとっても、
視聴者にとってもわかりやすくて便利なんですよね。


「1ステージ制の方が実力が公正に測れる」という最大の理由は置いておいて、
2004年までおこなわれてたチャンピオンシップのもう一つの大きな不満は、
一年通してもっとも勝ち点を稼いでるのに
ステージ優勝できなかったばかりに「日本一」になれない場合があることでした。
ただ今回のチャンピオンシップ出場条件は、
年間最多勝ち点獲得(実質リーグ優勝)クラブに最も有利な点がいい。
他の条件はいろいろ煩雑ですが、
それは2ndステージまで終わった段階でリーグなりメディアなりが計算してトーナメント表にまとめてくれるから、
最終的にはあまり気にならないでしょう。


FC東京が好調で、今のところ年間順位も上位にいることも大きいだろうけど、
個人的に今回の2ステージ制は「1ステージ制+2ボーナスステージ」という感覚で受け入れています。
1.「年間最多勝ち点」、2.「年間3位以内」、3.「ステージ優勝」という優先順位。
ステージ優勝の方がチャンピオンシップでは有利になるみたいだから、2と3は逆かもしれないけど、
どちらにせよ第一に目指すのは年間最多勝ち点=実質リーグ優勝だから、
基本感覚は1ステージ制と同じです。


それでももちろん、
ここからチャンピオンシップで「日本一」を決めることに違和感や不公正感はやはりあります。
ありますが、そこは1ステージ制で有効な人気回復策を思いつけなかったぼくらの負けとも思っています。
正直、ぼくには思いつけなかった。
さらに言えば、1ステージ制でやっていけるだけのサッカー文化を
この10年で造り上げきれなかったところが敗因でしょう。
以前の2ステージ制も、もともとサッカーに興味のない人を引きつけるための方策で、
日本国内のサッカー成熟度が高まった段階で1ステージ制へ移行した。はずだった。
確かにそういう人たちはたくさんできたけど、
徐々に目減りする観客数にあらがえるほどではなかった。


だからこうなった以上、2ステージ制で新しいファンを増やし、
一度去ったサポーターをもう一度引き戻し、
1ステージ制でやっていけるくらい彼らを定着させてしまおうと考える方が建設的だと、
自分としては思っています。
少なくとも1ステージ制堅持をかたくなに主張するのであれば、
1ステージ制のままで観客数を必ず増やすことができる、
現実的で具体的な方策を提示する必要はあるでしょう。