個人的に日本がアジアで最も突出していたのは2000年アジアカップの頃じゃないかなと思っています。
あの大会は本当に日本が「席巻」した。
素早く正確に動く日本の選手とボールにアジア各国はまったくついてこれず、
次々と大量失点を喫してしまった。
本当に苦戦したのは決勝のサウジ戦くらいじゃなかったかな?
嘘かホントか知らないですが、
WikipediaによるとAFCのレリーフには「史上最強のチャンピオン」と書かれてるそうな。
http://wkp.fresheye.com/wikipedia/AFC%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%972000


で、あそこを頂点にしてアジア各国でやる気があるところは
本格的に自分たちのサッカーを変えていこうとしている。
プロリーグを立ち上げたり、若手強化策を測ったり。
その成果もあって、10年前には見かけなかった国が
いろんな世界大会のアジア最終予選にチラホラ現れるようになってきた。
他の国の成長速度が日本の速度より速いということでしょう。

だからといって日本の成長が止まったというわけではないと思う。
Jリーグ草創期から見ていると、最初は本当にものすごい勢いで成長してるのを感じるんですよ。
だけど最初はなだらかだった坂が、徐々に険しくなってきて、
今はほとんどロッククライミングになっているような印象がある。
だから新興国が昔より近づいたからといって、簡単に追い越されることはない。
そんな甘くないし、これまで日本が培ってきた時間と情熱を馬鹿にするもんじゃない。

もっとも、欧州・南米はもともとさらに上の方にいるだろうから、
日本が追いつこうとするとさらに大変だろうけど(苦笑い)。
ただ個人的には、
最初からそこまで畏怖や敬意を持ちすぎる時期は過ぎないといけないだろうなと感じてはいますが。
もともと弱い方が「勝てない」「追いつけない」と思いこんでたら、
たとえ互する力があっても絶対勝てないし追い越せないからね。
いい意味で身の程を忘れないと。


成長は日本以外のアジア上位国も同様でしょう。
日本は体格で押されたり、ロングボールで押し込まれたりして、
ひ弱なイメージがどうしてもあるけど、
これを相手国から見ると、
この戦い方以外では日本に勝ちようがないという面もあるんじゃなかろうか。

おそらく古今東西あらゆる国のサッカーファンのほとんどは、
パスサッカーが大好きだ(苦笑い)。
それはアジア各国でも変わらないと思う。
だけどその方面で戦おうとしたら、日本には勝てないという自覚があるはず。
なにしろその方面で戦いに来てる国には、たいてい日本は内容も結果も圧勝してる。
今回のタイ戦もだし、何年か前の韓国との親善試合でもそうだった。


だから要するにストロングポイントの違いでしかないんじゃないかなとも思ってます。
今回も仮にイランがパスサッカーで来たら、前半から圧倒してたでしょう。
証拠にはならないかもだけど、
今回だって延長で豊川にゴールを許し、
攻めるために日本を封じるシステムを捨てざるを得なくなったところで、
またたくまに中島にトドメを刺されてしまった。


アジア各国は日本のパスサッカーを相当恐れてもいると思いますよ。
日本がパスサッカーをできなかっただけじゃなく、
イランがパスサッカーをさせないようにしたという面も相当強い。
アジアレベルでそんなことを言っててどうするというのは、アジア各国を舐めすぎだと思う。
個人的には日本を舐めてかかる世界的強豪より、
日本を心の底から警戒して研究して、
本気で潰しにかかってくるアジアの方が相当手強いと感じます。
実際最近は、親善試合やさほど重要でない公式戦とはいえ、
世界的強豪を振り回すこともあるからね。

余談ですがFC東京サポーターとしては、
個人的に今のフロンターレとやるのはすげえ嫌(苦笑い)。
あれでボロボロにやられると、ただ負けるだけじゃなく、
なんかサッカーそのもので負けたような気分になるからねー(苦笑い)。
パスサッカーってそういう力がある。


とはいえ日本も「性に合ってる」というだけでなく、
基本的な体格が小さい以上「これしかない」って感じで
パスサッカーを選択しているところはあるからなー。
それの完成はまだまだ遙か先というのもある。
これは日本がダメというより、ただ単に困難度がハンパないというだけだろうとも思ってます。
世界中からパスサッカーの最高峰と目されているスペインですら、
ワールドカップを獲得したのは一回だけ。
前回はグループリーグ敗退だもの。
日本におけるサッカー人気がいつまでも高いわけではないだろうということを考えると、
そんなに悠長にしてはいられないだろうけど、それでもしっかり腹を据えていかないとね。