「夏目友人帳」ネタバレ入ります。




「夏目友人帳」のアニメ5期が決まったそうだ。
ぼくもアニマックスで放送しているのをちょいちょい観てポロポロ泣いているのでうれしい(照)。
あのテの作品は本当に自分では書けないなあとわかるから、
作者の緑川ゆきさん、心から尊敬です。

アニメも原作の根幹みたいなものを余すところなく表現していて、
そしてちょこっとオリジナルの演出を入れて、
しかもそれが世界観をまったく壊していないところとか、本当にすごいと感心しています。
思い出すのはニャンコ先生が夏目に化けて藤原夫妻と一緒にご飯食べるところとか、
笹田さんに対してものすごくイケメンだったところとかね(笑)。
あれで夏目に惚れなかったか笹田さん(笑)。それはそれですごいな(笑)。


原作は、持ってはいないけど全巻読んでいます。
単行本派だからLaLa掲載分は読んでなくて今どうなってるのかはわからないけど、
あんまり進展はしてないんだろうな。
既刊は19巻まで出てるけど、内容的にはほとんど進んでいないしな(笑)。
アニメも原作のストックがたまったからようやく再開ってところなんだろう。


しかし夏目にとってニャンコ先生の存在は本当にデカいなとつくづく思ってます。
べつに正体の大きさではなく、存在自体がね(笑)。
ニャンコ先生の妖力そのものもだけど、妖怪に対する「知識」が本当にありがたい。

藤原夫妻のところへやってくる前の夏目があやかしに引っかかると、
対処の仕方がわからなくてさらに奇行が目立つし、
夏目の恐怖やストレスもマックスに達し、あらゆる意味で悪循環に陥る。
だけどニャンコ先生が一緒だと、
あやかしの知識があるからどうすればいいかを教えてくれるだけに、
それらが著しく軽減されるんだよな。

夏目はこれまでたらい回しにされてきた家の人たちを
「最初はみんないい人だったよ。いや、本当はずっといい人だったんだと思う」
と言っていたけど、実際そうだと思う。
中にはまずい人もいただろうけど、
たいていの人は夏目を受け入れようと努力もしてくれただろうし、
夏目の「奇行」がなければ本当に受け入れてくれてた人もいたはずだ。
藤原夫妻はその中でも飛び抜けて包容力があるのは確かだろうけど、
それでもニャンコ先生がおらず、「奇行」が多い夏目のままだったらどうなってたか。
少なくとも今のように、順調にいい関係を築き続けるのは難しかったろうな。


藤原夫妻も、夏目が来て本当によかったなと端的に感じたのは、
お二人が主役の番外編の一コマ。
塔子さんが滋さんに夕食のメニューを尋ねたとき、
二人きりのときは滋さんも曖昧にしか答えられなかったけど、
夏目が来てからは
「肉! 貴志にはもっと肉をつけさせないといけないからな!」「そうよね!」
というやり取りになってて、読んでるこっちもほほえましいやらうれしいやらで(笑)。


夏目友人帳は、登場人物がほとんど全員いい人だからとても気持ちいい。
というより、現実でもたいていの人はああだと思うんですよ。
自分のことだけじゃなく、ごく当たり前に他の人のことを気遣っていて。
それがたいそうなことじゃない、ほんのちょっと、
本人にとっては気を遣ってるという認識すらない程度のもので、
だけどそれが相手にとっては涙が出るほどうれしくて。
文化祭の話で、夏目のところに北本と西村が訪ねてきたときなんて、
夏目が布団の中でうれしすぎて泣いてるの、一緒に泣いて観てたからなあ(照)。


夏目は将来どうするのか。何になるのか。
なんとなく普通の勤め人にはならないだろうなとは思う。
でも祓い人になることはありえず…
もしかしたら人と妖の橋渡しをする「繋ぎ人」になるかもしれないか。
祓い人としての知識や力を使って名取さんが手伝ってくれたり、
あとニャンコ先生もなし崩し的に手伝う羽目に陥っていたり。
結果として、人と妖、両方の助手というかアドバイザーを得て、
夏目はそういう仕事をしていくのかもしれないな。
問題は金にできるかどうかだが(苦笑い)。
霞食って生きてるわけじゃないからな、夏目も(苦笑い)。