ネタバレ入ります。
そして感想長いです、最終回だけに(照)。





おもしろかった!
今日だけの話ではなく、
久しぶりに全話観た富野さん以外のガンダムでしたが、
半年2クール通しておもしろかったです。
個人的視点は実はマクギリスと似通っているんですが(照)、
でもそれぞれの登場人物の立場や考えがしっかりしていておもしろかった。
こういうしっかりした脚本を書ける人や作れるスタッフっているんだなあと感心や尊敬をしつつ、
負けそうと焦る気持ちも出てきます(照)。


今回は前回のラストから、
阿頼耶識の化け物、グレイズ・アインの傍若無人ならぬ「暴虐無人」とか、
彼にやられたシノたちがどうなったかというのに一番気を取られていましたが、
思ったより怖くなくてよかった。
いや、怖くないとダメだし、実際メッチャ強くてラスボスとしてはバッチリだったんだけど、
気を悪くする人がいたら申し訳ない、どうしてもアインが中二病にしか見えなくて、
そこで緩和されてしまったのです(苦笑い)。
本人大まじめなんだけどすでに常軌を逸してるのが丸わかりだったし、
何よりミカがまともに聞いてないだけに
相当カラ回ってたというか道化に見えてしまったというかね(苦笑い)。


もしかしたらマクギリスはわざとアインをああしたのかもしれないな。
ぼくは先週の感想でマッキーはアインを持ち駒にするつもりかもと思ってたんですが、
http://suntu500.blog.jp/archives/1054315281.html
そうじゃなくて捨て駒にするつもりだったか。
それもなるべく有効に使い捨てる。
アインだけでなくガエリオも、カルタも、義父も。


さっきもちょっと書きましたが、
個人的にはマクギリスに一番感情移入していたかもしれないです。
感情移入というのとはちょっと違うかな。
思考というか政治志向というか、その考え方はわかるし共感できるところがあるというか。

ちょっと設定読んだらマッキーは妾子だったのか。
でも引き取られたときはあんまり裕福そうではなかったから、
元々は鉄華団の連中に負けず劣らずの下層階級だったのかもしれない。
そしてマクギリスの中には、生い立ちから来る世界に対する怒りが充満していて、
それを正すための志を持ち、子供の頃からその方向へ自分を育てていったんだろう。

その中でガエリオやカルタとも仲良くなったわけだけど、
ここがぼく的に今回の脚本や監督を好きになる理由の一つです。
こういう場合他の作品だと、
仲良くしていたのはただの演技で利用するためだけにつきあっていたという
「表が嘘で裏が本当」って単純なパターンが多い。
だけどマクギリスの場合、本当にカルタやガエリオに友情を感じていたんだろうと、
そこは観てるこっちにも伝わってきたように思う。
「表が嘘なら裏が本当」ではなく「表も裏も本当」。
いや、正確に言うなら表も裏もなく「見せている部分」と「いない部分」があり、
そのどちらもが本当というか。

マクギリスってたぶん器量が大きいんですよね。
自分の中で目的のために、清濁併せ呑む器量を養ってきたんでしょう。
その大きな器の中で、ガエリオやカルタを心から友人と思う気持ちの部分もあるけど、
他にも「世の中への怒り」やそれを原動力とした改革者、革命家としての、
より大きなスペースがある。
だからガエリオに言ったことに嘘はない。
言っていない、見せてない部分があるだけで。
だけどその部分を言ってもガエリオには通じなかっただろうというのもわかってた。
ガエリオは育ちがいいから、そこまで深く広く、
そして冷徹に考えて実行することはできなかっただろうからなあ。


マクギリスを改革者と見るのは、成功した改革者というのは、
たいてい、ありえないほどの冷徹さと本物の温情とを兼備する矛盾した存在だからです。
日本史でも源頼朝は弟を殺し、一説では生まれたばかりの弟の子供を殺して幕府を安定させたし、
徳川家康も言いがかりをつけて豊臣家を完全に滅ぼしてしまった。
古代中国大王朝の一つ、唐王朝を建てた李世民も、
兄弟を殺し、兄弟の子供たちを皆殺しにしてのことだったし、
ローマ帝国初代皇帝であるアウグストゥスも粛正しまくった。
これらの人たちのたいていは無用に残忍だったわけではなく、
必要であれば冷酷に徹せられるという意味で共通していて、
マッキーも似たところがあるように感じられたんですよ。


わざとガエリオを怒らせて彼の憎しみを全身に受けたのも、
一つの覚悟や自分への罰のつもりだったんじゃなかろうか。
マッキーが怒りや憎しみしか自分には届かないと言ったのは本当だろう。
そういう風に生きてきたんだから、そこは仕方ない。
だから怒らせて憎ませて、ガエリオを自分の中に刻み込んだんじゃないだろうか。

でもだからといって愛情や友情をマッキーが感じてなかったわけでもないだろう。
それが自分の深いところへは届かないだけで。そしてその感情を否定しているわけでもなくて。
そしてもしかしたら、それらの感情を、本当は怒りや憎しみより貴重に思っているのかもしれない。
そんな感情を与えてくれたガエリオやカルタを
自分の野心のために利用して殺してしまうことへの罪深さをマッキーは自覚していて、
それだけにガエリオに自分を憎ませたうえで殺した。
たぶんマッキーにとって「ガエリオに憎まれる」というのは、
意外と本気でキツいことなんじゃなかろうか。
だから罰になる。

そしてカルタの死も堪えているだろう。
自分への想いを持ちながら死んでいったなんて、
憎まれるよりキツいかもしれないものね。


でもマッキーはそういうのも全部受け入れていく覚悟と器がすでにあるんだろう。
妹ちゃんを幸せにするという言葉にも嘘はなく、
だけど彼女の「兄殺し」をした男という自覚もあるから、
本当には幸せにはできないとわきまえているかもしれない。
だとすると妹ちゃんはとてもかわいそうだが…
ガエリオを殺したのは自分という事実は墓場まで持っていくつもりだろうが。


そしてマッキーは、地獄に落ちる覚悟もとうにできているんだろう。
だからって許されないということもわかっていながら。


マッキーの話はまだできそうだけど、主人公サイドの感想ももちろんあるからね(笑)。

まずは今日もだけど全編通してコレだな。
「すげえよミカは」(笑)。
久々にいい主人公だった。
戦いながら相手の戦力を測り続け、逆転の方策も考え続ける。
たいていの主人公ならアインの言葉に反応して感情的になり、
その感情からくる気合いで突発的に強くなって勝つというパターンになるだろうけど、
最初に書いたとおりアインはミカにシカトされつづけて、ほとんどピエロだったもんな(笑)。

かといって気合いがないわけでもなかったけどね。
「反応速度」が相手に比べて遅いとわかると、
それを無理矢理「気合い」で上げて互角以上に持って行ってしまった。
だけどきちんと代償を払ってるところもすごかった。
ミカはバルバトスに「いいから全部よこせ」と言ってたけど、
バルバトスの方も「ならお前もよこせ」と言ってきたような。

右腕と右目を持っていかれてしまったけど、
「バルバトスに乗ると動くようになる」とミカは言っていた。
それってミカとバルバトスがより同化したということで、
アインのような「完全な阿頼耶識」に近づいたってことなんだろうな。
だとするとこれからバルバトスの反応速度は
デフォルトでグレイズ・アインを越えるほどのものになるわけだが、
それを喜んでいいものかどうか…

それとミカがずっと「使いにくい」と言っていた「刀」。
ここにきて「やっと使い方がわかった」というのもよかった。
こういうのって同じ話の冒頭や前半で前フリして、
後半で都合よく思い出してヒントにするというパターンも多いけど、
相当長いスパンをかけての前フリだったから問題ない(笑)。
リアル系ロボットが「実剣」を使うのを見るのは
FSS(ファイブスター物語)ファンとしては燃えるものがあるし(笑)。
あの刀にも正式名称はあるんだろうけど、
個人的にはこれからは「実剣(スパイド)」と呼んでいこう(笑)。

でもこれからは実剣がミカとバルバトスの主武器になるだろうから、
だとするとメイスが見られなくなって、それはそれで残念だなあ(苦笑い)。


アインはモビルスーツの装甲ごと両断するミカの腕に驚いてたけど、
たぶんあれは日本刀で人の腕を一刀両断するのと同じようなものなんだろう。
普通の人はもちろん、おそらく相当な達人でも無理っぽいものな。
それも実戦でとなれば。

でもなんとなく、ああやってミカを「バケモノか」と驚愕し、おそらく恐怖した時は、
アインは人間に戻れていたのかもしれないとも感じる。
だからどうだと言われると困るけど。


それと市街戦の街並み。なんか現代日本に似ていた気がした。
そしてそう考えると、
意外と見慣れない「現代日本の街で戦うモビルスーツ」に新鮮さを感じて楽しかった(笑)。


あと前回一番戦慄して、一番心配していたアインの引き立て役でやられてしまった三人!
シノはもしかしたら生きてるかも…と思ってたが、
アジーさんとラフタさんも普通に生き残ってたね!(笑)
それも結構ピンピンしてた(苦笑い)。
いや、それがいいんだけどね、その方がいいんだけどね(苦笑い)。


クーデリアさんはここでお別れか。
そしてクーデリアさんの演説を見て
「あ、ダカールだ」と思ったのは俺だけだったろうか(笑)。
ミカは近くに正妻、遠くに本妻を持つことになったな(笑)。


オルガは30代、40代になったら今よりもっと、
今と比べものにならないくらいいい男になってる可能性があるな。
男も女も見ただけ会っただけで惚れてしまうような。
もちろんそれぞれ違う意味でね(笑)。


そしてやったね、二期制作決定!
これはよかった、うれしい。
でもさて、どうなるか…
個人的にマクギリスは「勝者」にしてほしいところはあるんですよね。
でも「ラスボス」にされてしまうかなあ、やっぱ…
マッキーが権力に染まって悪虐に傾き、それを鉄華団が倒す…
なんて単純な話にはしてほしくないんだよなあ。それはすごくもったいない。
いや、この作品の監督や脚本家やスタッフなら、
そのあたりもうまくやってくれそうな気はする。

でも本気でマクギリスを勝者として描こうと思うなら、
作品内の時間は数十年単位で描かないと難しくなってしまうかもしれないんだけどね(苦笑い)。
本当に組織や世界を改編していこうとするなら、
そのくらいのスパンがないと無理があるからねえ。
でもこの手の作品でそこまでやれるはずもないし、
二期はせいぜい半年後、一年後かなあ。


しかし二期があるなら、一期開始当初、かなりの視聴者が心配していた
「オルガとミカの決裂」ってパターンへの懸念も復活するかもしれないなあ…(汗)
どっかの鷹さんのように「…げる……」ってならないでね団長(苦笑い)。