ここのところ「ハイキュー!!」ネタが多くてすいません。
久しぶりにハマっちゃったので考えることも多いので(照)。
烏野高校排球部コーチ、烏養馨心、26歳。
同校同部出身。ポジション:セッター。
高校時代は控えの時期が多く、
レギュラーになれたのは下級生のレギュラーセッターがケガをした間だけ。
現在は烏野高校近くにある
「坂の下商店」(食料品も扱う雑貨屋。母方の実家の店)の従業員(将来店主予定)。
高齢・病気療養のため事実上引退している烏養監督の孫。
――というのが烏養コーチの簡単なプロフィールですが、この人もいろいろおもしろい。
バレー経験のない顧問である武田先生が、
必死に、軽く策略も使って勧誘して、そのままコーチに収まってしまった。
この人がいなかったら烏野は絶対に全国まで行けなかったわけだが、
考えてみるとまったく指導経験がないにも関わらず、
いきなりチームを全国まで連れて行ってしまう手腕は、実はものすごい話だ。
人材に恵まれたというのもあるけど、
それでも他の強豪に比べて突出して強力な選手がいるわけでもない。
ウシワカみたいなのが三人くらいいれば話は別だし、
何よりマンガだからと言ってしまえばそれまでだけど(笑)。
とにかくバレーに関する知識が豊富で見識が高い。
自分がやっていたポジションだけじゃなく、他のポジションについても詳しい。
しかもそれぞれが細部に渡り、一方向からだけでなく、
多面的で客観的、俯瞰的、総合的にも見られるし、
それらをきちんと言葉にして他者にも伝えられる。
選手からの質問にも、
たとえそれが専門外のポジションやプレーだとしても即座に答えることができる。
「経験者だから」という意見もあるかもしれないが、
勉強はできず(本人談(笑))、
選手としても一流ではなかったから大学には行ってないと思うし、
だとすると選手として本格的にやっていたのは高校までだ。
そうだとするなら、今の三年生が自分で自分たちを育てられるはず。
だけどそれはできない。難しい。
この辺はやはり、祖父である烏養監督の影響が大きいはずだ。
それこそ生まれたときからバレーに関わってきたんだろう。
自覚をもって本格的にやろうと思い始めたのは、一般的に考えれば、
早くても小学校高学年か中学くらいだと思う。
その頃から、祖父さんのバレーに関する話を理解しようと努力して聞き始めたり、
わからないことを祖父さんに尋ねたり、
また自分の考えやプレーの意図を話したり、
練習の仕方についても相談しはじめたんじゃないだろうか。
一緒に住んでる(かはわからないけど)のなら、
それこそ24時間365日、いつでもレクチャーが受けられる環境だ。
祖父さんも文句は言いつつ、また孫も悪態をつきながらも、
バレーに関してならお互いいつでも、いくらでも訊いたり答えたりしてたはずだからね(笑)。
さらに加えて、高校時代は自分より優秀なセッターがいた。
どういう種類の優秀さかはわからないけど、
おそらくプレーの質で劣っていたんじゃないかと思う。
それは影山とスガさんほど顕著なものじゃないにしても、簡単には覆らないような。
で、対抗するために烏養コーチは「考える」ことを選んだんじゃないかな。
自分のプレーをどうすればいいかだけじゃなく、
他のポジションの特徴、プレー、クセ、性格。
さらにチーム全体の力量、タイプ。
それらを観察し、考え、どうすればよくなるかを常に思考しつづける。
外見に似合わず(失礼(笑))おそらくもともと「考える」のが好きなタイプだ、あれは。
それは祖父さんの影響もあるだろう。
中学から本格的に「弟子入り」したにしても、
それ以前から祖父さんのバレーが基礎になっているはずで、
遺伝的なものだけでなく、
経験的なものからも「烏養バレー」が染み着いている。
それは知識的なことも含めての話で、
それだけにバレーについての見識は、たぶん部内一だったんじゃないかな。
そして卒業しても町内会(という名のOB)チームでプレーしつつ、
そのときもいろいろ考えたり、吸収したりしていたんでしょう。
その知識や見識を元にした指導者としての能力は、
たぶん烏養監督もひそかに認めていたはず。
そうじゃないと選手に迷惑がかかるんだから、
コーチをやるって言っても止めていたに決まっている。
変人速攻が行き詰まって日向と一緒に自分のところに行ったときも、
自分のちょっとしたヒントですぐにすべきことを理解して影山のところへ走っていった孫を見て
「あっち(セッター)は繋心がなんとかするだろうよ」とそのまま任せていたくらいだからね。
ちょっとしたヒントですぐに解決法を思いつける
烏養コーチの「バレー・リテラシー」も相当なものだけど。
烏養コーチはまだ選手としてやっていたい気持ちも強いみたいだけど、
おそらくもう、育てる喜びを知ってしまった。
実際にコーチを続けるにはどんな資格が必要かわからないけど、
その方向に進んでいくことになるんじゃないかな。
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