ネタバレ入ります。


一期・二期あわせて全50話。
つまり都合丸一年。全話観たねえ。
最近の自分にとっては珍しいことでした。
それだけおもしろかったんだな、鉄血のオルフェンズ。


SEED以降の宇宙世紀以外のガンダムにはまったくと言っていいほど触れて来ず、
AGEは「代替わり」というテーマが大好物だったんで期待して観たんですが、
ちょっとアレだったんで途中でやめちゃって(苦笑い)。
だからオルフェンズもあまり期待せず観始めたんですが、
結局最後までつきあってしまいました。


大筋については、ぼくは歴史のファンなので、
どうしてもその視点に立って観がちです。
ラスタルの歴史的立ち位置とか、
マクギリスの歴史的意義とか、
ギャラルホルンの政治体制とか、
そういうのを中心に楽しんでしまい、
鉄華団の悲哀は悲哀として、彼らはその視点からするとどんな役割なのかなと、
そんな風に考えてしまいます。

ただこういう類の感想は、書き始めたらとりとめがなくなり、
どれだけ長文になるんだって話なのでやめておきます(苦笑い)。
むしろ飲みながら駄弁(だべ)りとしてやるべきものだな。
聞いてる相手が楽しいかは別だけど(苦笑い)。


最終回の死者は「ついに」というメンツが多かった。
昭弘はセーフかとも思ってたんですが。
ただ三日月とイオクも生き残るかもと考えてはいました。
これは演出がうまいので、ぼくだけが考えてたことではないだろうけど。


三日月は最後、バルバトスにさらに持って行かれてたかもしれない。
OPでオルガにかつがれてたシーンがあったけど、あのくらいにはなっていたかも。


バルバトス・ルプスレクスはどのくらいの力があるんだろう。
もしかしたらダインスレイブがなければ、相手MS隊を全滅させていただろうか。
相手の士気が落ちたこともあり、潰走させ、
三日月たちも生き残った可能性くらいはあったかもしれない。
「呂布が来たぞお!!」で逃げる敵兵みたいなもんね(笑)。


しかしこうも絶望的状況の中、
最終的にはなぶられるように破壊されて死んでいったガンダムは他にあっただろうか。
あったかもしれないけど、ぼくはちょっと記憶にないな。
これも作中世界で鉄華団は主役ではなく悪役ですらなく、
脇役だからこそできた演出でもあるんだろう。


そしてまさか尻尾があそこまで存在感を出してくるとは思っていなかった(笑)。
あれはブラウ・ブロやジオングと同じ、有線型オールレンジ攻撃だな。


昭弘も最後までがんばった。
ある意味凡人代表(阿頼耶識があるからそうとも言えないけど)。
もしもあの世があるのなら、昭弘には弟も嫁もいるからな。
ぜひ存在していてほしいもんだ。


イオク様は死亡フラグ回収として死んでいった感があるか(苦笑い)。
タービンズを虐殺したところで「死亡確定」と思ってたんですが、
その後の展開で影が薄くなり、そのままコソッと生き残るかもと(笑)。
だから死んじゃって逆に意外な気分もありました(笑)。


イオク様は結局バカであることが最後まで響いちゃったなあ。
指揮官が前線に出て行こうとする意気は悪くない。
真実、死を覚悟して(観念的であるにしても)の突貫で、
その理由も部下の命や忠誠に報いるためというのも人として正しく、崇高と言ってすらいい。


だけど自分が死んだら、
それこそ命懸けで助けてくれた部下たちが「犬死に」になってしまうこと、
生き残った部下たちもクジャン家がなくなって、
路頭に迷うか他家に分散せざるを得なくなり、
クジャン家への忠誠が無意味になってしまうことが、どうしてもわからなかった。
ラスタルやマクギリスなら、その辺をきちんと理解して、
無情ではなくむしろ真に忠誠に報いるために、部下を盾にして逃げるだろう。
実際、マクギリスは石動を見捨てて逃げ出したしね。


Bパートはある意味お約束のエピローグ。
暁の姿形からすると、5年後くらいかな?


この世界の、この時代の、この時点での最終的な勝者はラスタル・エリオンだったか。
この結末に腹を立てている視聴者もたくさんいるだろうけど、
歴史的英雄というのは多かれ少なかれ、
こういう矛盾を抱えているというお約束でもあるんだろう。
織田信長は比叡山を焼き討ちして民間人まで殺し、
徳川家康は豊臣家を完全に滅ぼした。
ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスも、
何百人も粛清しながら史上屈指の大帝国を築いてみせた。
歴史的功績は別として、彼らを恨み、呪いながら死んでいった人は、
同時代には枚挙に暇がないだろう。


ガエリオはマクギリスとの戦いであまりに重傷を負ったか、
それとも(おそらく)サイボーグ化した体を生身に戻していく過程で、
いまだに病院生活を送っているのか。
このあたりは資料やスタッフインタビューを読まないとわからないな。


でも本人も言ってたように、本来のガエリオに戻ってきているようでよかった。
ジュリエッタちゃんも表面は変わらないけど、
ガエリオに対して完全にデレ期に入ってるようで、とてもかわいい(笑)。
しかしなんだな、
おそらくガエリオとジュリエッタちゃんは10歳くらい年が離れてると思うけど、
ロリコンとまでは言わずとも、どこか友人と似ていることになるな(笑)。
またカルタといい、お堅い系の女子が好みなのかもしれない。


蒔苗さんはちゃんと鉄華団の後処理をしてくれたんだな。
逃げ切れた連中は全員、新しい身分を得たみたいだ。
ダンテとか副団長とか呼んでたのは身内しかいないからというだけでなく、
視聴者を混乱させないためだろうけど、
本当は「偽名」の方を呼び合っているんだろう、きっと。


ライドは落とし前をつけずにはいられなかったか…
ラスタルへの恨みは、彼の政策などを見て自分の中で消化できたんだろうけど、
ノブリスに対しては無理だったんだろう。
おそらく元・鉄華団で数少ない、裏稼業で生きていくことになるんだろうな。
将来、非合法だが必要な力でクーデリアたちを救うこともあるかもしれない。


そして一発必中だったか(笑)。
さすが、最後まですげえよミカは(笑)。
お母さん二人で育てる子供。
お父さんについてはどう話していくんだろう。
そのまま話すにしても公的には犯罪者なわけだし…
いや、その辺はうまくやっていくかな、二人とも。


なんとなくこの作品については、
主に二期に入ってから毎週観た後感想を書いてきました。
ほとんどの人に読まれていないけどね(苦笑い)。
でもそういう感想を書かせてくれる作品だったというのは確かで、
そんな作品を作ってくれたスタッフさん、キャストさんに、感謝しています。
いずれまた、何か別の作品でお会いすることもあるかと思いますが、
そのとき経歴に「鉄血のオルフェンズ」の名前があれば、
「お?」と期待すること間違いないと思います。
本当にこの一年半、ありがとうございました。


鉄の華たちに愛と想いと感謝を込めて。