ちょっと前、Twitterで話題になっていた
人間プラモさんの「映画大好きポンポさん」というマンガ。
https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=62252019
人間プラモさんはクリエイティブに関するお仕事をなさってる方のようですが、
Pixivに上げられていたこれはお仕事ではないみたい。
だけどすごくおもしろかった!
どうおもしろいかは読んでもらうのが一番ですが、ぼくが感じた最も心地よい部分は、
最初から最後まで「作品」として完結しているところでした。


もちろん商業誌のマンガだって作品としてのおもしろさもあります。
だけどそこはどうしても売り上げを気にせざるを得ず、
毎週毎月、一回ごとに盛り上げて読者を引きつけつづけないといけない。
また人気が出なければ途中で打ち切りになり、
逆に人気が出れば最初の予定とは違う展開にして延ばさないといけなくなる。
もちろんそれがおもしろさにつながる面もあります。


が、「映画大好きポンポさん」を読むと、その辺のストレスがないんですよね。
この作品だって、作中で盛り上げがあり、読者を飽きさせない工夫もたくさん用意されている。
だけどそれが「週ごと」という制約ないため、
作者さんの意図だけで構成されていて、すごくしっくりくるんです。
ラストシーンから逆算して、どういうストーリーにするかきちんと構想されていて、
しかもその構想を現実化する力量があるというか。
雑誌連載を一冊にまとめた小説と、最初から「書き下ろし」として書かれた小説の違いかな。
最近は雑誌連載の方が珍しいが(苦笑い)。
いや、web小説が増えてきたから逆に珍しくないのか。


もう一つ喩えるなら、胃や舌、栄養まで考慮され、
全体を通して客を満足させることを意図したコース料理を食べたような感じかな。
食後(読後)に極端な満腹感もなく、舌に強い味も残っておらず、
ただ「おいしかった」という満足感だけが残るような。


ぼくも週刊・月刊の連載マンガと、
それをまとめた単行本に慣らされていたのですっかり忘れていましたが、
こういう「描き下ろし」のマンガにもすごい魅力がある。
これはどこかの出版社が単行本にして全国販売してほしいよ。
週刊・月刊のマンガしか知らない読者に、新しい心地よさを与えてくれると思うから。


人間プラモさん、他にもいくつか作品(マンガだけでなくイラストも)をアップなさってますし、
Pixiv見られる方にオススメです。