80年代~90年代は週間少年ジャンプの黄金期の一つだとは思うけど、暗黒期の一つでもあったろうな。
なにしろ人気が出た作品は、しゃぶりつくすまで終わらせないというね(苦笑い)。
ぼくにしても「シティハンター」「キン肉マン」「キャプテン翼」等々、80年代を代表する作品は途中から読むのを放棄してたから、最終回がどうなったのかも知らない(苦笑い)。
これらだけじゃなく他にも「山下たろーくん」とか「ターちゃん」とか、ほとんどすべての作品を覚えていないな。
例外は「ドラゴンボール」と「スラムダンク」くらいか。
スラムダンクなんてほとんどの読者が最終回を覚えているだろうけど、当時のジャンプ作品としては例外中の例外なんじゃなかろうか(笑)。


ただ個人的にもう一つの例外が「北斗の拳」。
これは最終回だけじゃなく、その前のラオウの息子のリュウと旅をする話とか、リンとバットとの最後の話とかも覚えてるんですが、実は「修羅の国」編は記憶からスッポリ抜け落ちてます(苦笑い)。
自分でも不思議なくらい、ホントに覚えてないんだよなあ(苦笑い)。


だからたぶん、修羅の国編で終わってたら他の作品同様、すっかり忘れてたと思うんですが、やはり「北斗神拳伝承」と「リンとバット」を最終的にどうするのか気になってたのを、きっちり終わらせてくれたのが記憶と印象に残った理由だと思います。


特にリンとバットとは本当にきれいに別れて、ケンシロウはこれまで通り、ただ弱き者を守るための旅と戦いを続けてゆくという終わり方は、心からすがすがしかった。
最後のセリフは「おまえはもう死んでいる」以外ないですが、言葉の不穏さとヒャッハーが爆散してるシーンで「完」という殺伐さすら、さわやかに感じるほどで(笑)。
あのエモさがあったからこそ、今でも覚えているんだろうな。


そういえば当時、ケンシロウがリュウに拳法を何も教えず「あとはお前の中に流れるラオウの血がゆくべき道を教えてくれよう」と別れたのは、「いやそれは無理があるだろう」と苦笑してたんですが(笑)、いま思うとケンシロウはもう北斗神拳を暗殺拳として伝える意思がなかったのかもしれないな。
ケンシロウは伝承者として兄弟同士で殺し合い、その他にもたくさんの人を殺してきたけど、彼の本来の性情からすれば、それは不本意極まる経験だったはずだからね。
一度世界は滅びたことだし、自分の代で暗殺拳の歴史に終止符を打ち、その神髄のみを遺したい。
それならこれまでの自分との旅とラオウの血だけで充分伝えられる。
そんな風に思ったのかな、なんて考えています。