「ビブリア古書堂の事件手帖」、本屋でもよく見かけるし、
シリーズ累計600万部突破の帯もついてるし、
すごい人気なんだなと思いつつ、
最近は小説をあまり読まなくなったのでスルーしてたんですが、
図書館にコミック版があったんでちょっと読んでみたら、なるほど、これはおもしろい。
ファンがたくさんいるのもわかるわ。

原作小説だと趣もまた違うんだろうけど、
文章の方がおもしろそうだというのも感じられる。
コミック版も充分以上におもしろいんだけどね、もちろん(笑)。
これだけ「動き」がない作品だと、マンガにするのは大変だろうなあ。


しかしこういうのを書けるというのは、うらやましくなるのと同時に尊敬してしまうよ。
奇抜まではいかないのに個性的な設定、
知識に裏打ちされたストーリー、洗練されて無理の少ない推理。
特に安楽椅子探偵というだけでなく、
本の知識をもとに推理を組み立てていくヒロインというのも新鮮味があって素晴らしいなあ。

「推理もの」は掘り起こされ尽くしたようなイメージもあるけど、
そんなこともないというのがよくわかる。
元推理小説ファンとしては、やはり心から尊敬してしまいますよ。
もともとぼくも、最初に自分から進んで読んだ小説って児童向け推理小説だったし、
そのあとも中学・高校と、小説と言えば推理小説しか読んでなかったもので(照)。
「シャーロック・ホームズ」は当然の基本として、
あとは「エラリィ・クィーン」が好きだったな。
といっても国名シリーズしか読んでないんだけど(照)。

20歳くらいの頃は推理小説を書きたいと思って原稿用紙に向かいましたが、
すぐに「俺にはトリックを考える頭がない」というのがすぐにわかったため挫折しまして(苦笑い)。
島本和彦さんのように「勢い」で書けるモノでなければダメだ(苦笑い)。
いや、島本先生もすごく考えて書いてるんだろうけど、
内容の方向性としてはね、しっくり来る(苦笑い)。


だからこういう芯の通った繊細な作品を書ける人はすごく尊敬するんですよねえ。
これで三回くらい同じことを言っていますが(笑)。