サクラと紅茶

日常のことを書いていきます。 物書き志望でもあります。 第2回富士見ラノベ文芸賞 一次選考通過

タグ:鉄血のオルフェンズ

ネタバレ入ります。


■三日月八つ当たり(苦笑い)


今回は敗走のお話。
前回窮余の一策、シノの特攻が無に帰し、
とにかく一旦引いて戦力を整え直さないといけなくなってしまった鉄華団&マクギリス軍。


とはいえ今日の冒頭は「三日月怖い」から入ったが(笑)。
そしてあれは八つ当たりだが(苦笑い)。


いや、鉄華団サイドから見れば
「ジュリエッタちゃんの妨害さえなければ」ということで正当な報復ではあるだろうけど、
俯瞰して見ればどっちにも立場はあるともわかる。
そういうのを抜きにしても、
今回Aパートでレギンレイズ・ジュリアをあそこまで一方的にボッコボコにできる力がありながら、
最も大切な局面でジュリエッタちゃんに妨害を許したのは完全に三日月のミス、油断だけに、
八つ当たりの自覚は本人にすらあったような気はする。
あとで珍しく一人で考え込んでたしね。
おそらくこれも珍しく、落ち込んで反省していたんだろう、きっと。


■マッキー、今週もいいとこなし(苦笑い)


クーデター以来、計算違いが立て続き、
結局ラスタルとの決戦にも負けて敗走に入ったマクギリス。
ガエリオとのモビルスーツでの一対一にも実質敗北し、
唯一の人材である副官も失った。


それにしてもマッキーは準備が足りないなあ。
ガエリオが生きているかもしれないとわかった時点で、
もうちょっと彼に対する反撃・反論の用意もしておかないと。
自分がバエルで出たらキマリスヴィダールが出てくるに決まってるんだし、
そっちに関しても対応策を考えておかなければ。
とはいえ今回は自分が前線に出るつもりはなく、
敗残兵の志気を挙げ、糾合するために仕方なくの出撃だったんだろうけど。


■ガエリオの限界


ガエリオはとことんいいヤツだし、
殺されかかったことで視野も広がり人格も陶冶(とうや)されたけど、
やはりどうしても限界はあるか。
石動の気持ちはわかるとしつつ、マクギリスの理想はまやかしと断言した。
だけど自分たちはまやかしすら石動たちに見せることはできていないという自覚はないものな。
どこまでも「天上人」の意識から抜け出すことはできない。


■ジュリエッタちゃん、ンデ期(笑)


ただそれだけにギャラルホルンという枠の中では見事すぎるほど高潔で頼りがいのある人物だ、ガエリオは。
ジュリエッタちゃんにとっては師にすらあたるだろうな。


憎まれ口ながら「見舞いが遅い」と文句を言い、
ガエリオの「待ちこがれられてるとは思わなかった」という半分は冷やかしだろう返答も否定せずと、
完全に「ンデ期」じゃないですか(笑)。
(ンデ期とは、ツンデレの「ツン」から「デレ」に移る中間期のことである(笑))。
恋愛感情かはともかく、
ラスタルとは違うタイプの「大人」をやってくれるガエリオに敬意を持っているのは確かだ。
イオクにはそーゆー感情は微塵も持っていないことと比較すれば、瞭然でしょう(笑)。


それにしてもジュリエッタちゃん、生きててよかった(汗)。
バルバトスにボコボコにされて大怪我までさせられたところで
「あれ、今週退場?」とヒヤッとしたけど、一命を取り留めてくれてよかった。
体のどこかが欠損したりしていなければいいけど…
おそらく傷跡は治せるんだと思う。
そのくらいの治療技術はありそうだし。
ガエリオはあえて残してるんだろうしね。


それにどうやら阿頼耶識化はしそうになくて、それもよかった。
たぶんもう参戦は無理だろうけど、なんにせよいろいろよかった。


■自覚あったシノにビックリ(笑)


恋愛感情といえば、まさかシノに自覚があったとはビックリだ(笑)。
今週そこが一番ビックリした(笑)。
しかしもともと鉄華団(CGS)は男所帯。
男同士というのも珍しくなかったのかもしれないなあ(苦笑い)。


■ユージン、ポップ級の変化


それとシノの「鉄華団首脳陣評」があまりに的確で笑った(笑)。
でもユージンはヘタレはほとんど抜けてるよ。
わかっててわざと言ってたんだろうけど。


今週だけでも、我を忘れかけた団長を叱咤して味方を撤退させ、
罪悪感から半ば呆然としている団長の代わりに艦隊の指揮を執(と)り、
マクギリスとの折衝(せっしょう)にもついてゆき、
ヤマギの気持ちも汲んできちんと立て直してみせた。
初期の、オルガへの嫉妬心と対抗心しかなかった頃から比べると別人のようだよ。
「ダイの大冒険」のポップ級の変化だね。


■適材適所の鉄華団首脳陣


鉄華団の首脳陣は、オルガ、ユージン、昭弘、シノ、というところだろうか。
あとチャドも入れていいかもしれないけど、
行動方針を決定するにあたっては、
この連中の意見(というより意思)が重要視されてるような気がする。
おやっさんやメリビットさんは、
もう完全に後見人の位置に下がって彼らにすべてを任せているし、
あとミカも入れてもいいかもだけど、この人はあらゆる意味で例外だからな(笑)。


で、役割としては、オルガが頭でユージンが補佐、副官。
昭弘は下士官で、シノは特攻隊長か。


ユージンの役割は、
オルガの考えをできるだけ円滑に鉄華団全体へ浸透させてゆくこと。


昭弘は兵士である下っ端のまとめ役(イメージでいえば「軍曹」)。
今週もいい「兄貴」だった。
「弟」も「嫁」も逝ってしまったのを知ってるだけに、
あれは観てるこっちも涙ぐんでしまったよ…


シノは隊長とはちょっと違う、
兵士たちの一番前に出て突進してゆく「最強の兵士」というところかと
(言葉は悪くなるが「匹夫の勇」)。


さっきも書いたけど、ミカは完全に別枠(笑)。
シノは先鋒として突撃しても他の兵隊がついていけるが、
ミカについていけるのはいないからね(苦笑い)。
一応ハッシュがついていってるけど、それも限界はあるだろうし。


■敗走からの反撃


圧倒的不利な状況で敗走中のマクギリス・鉄華団連合軍だけど、
こういう状況から再起を果たし、最終的な勝利を得た人は枚挙に暇がない。
スコットランド独立戦争のロバート一世とか、
彭城の戦いで項羽に追い落とされた劉邦とか、
最初の挙兵で惨敗した源頼朝とか。
もっとも負けっぱなしで滅亡しちゃった人も枚挙に暇はないけど、
でもそこは主人公サイド補正ってものもあるからね(笑)。


火星支部から締め出しを食らったマクギリス。
だけどこれはあんまり意味はないかな。
おそらく実力で戦力を分捕るだろうから(笑)。
ネットとかだと「名前倒れ」「企画倒れ」とマッキーの失敗ともども揶揄されることも多いけど、
この点に関しても「錦の御旗」=バエルを持っていることは、
本当に大きいアドバンテージなんだ。
個人的にはこの辺はもうちょっとしっかり描いてほしい気はするんだけどな。


ラスタルやガエリオはマッキーがバエルを利用しているだけとわかっているから
その辺まったく感じていない風だが、
兵士はまだしも中・高級指揮官を含めた士官は
「ギャラルホルン教育」「ギャラルホルン史観」が骨身に染みてるはずだから、
バエルを擁するマッキーに銃を向けることにもっと動揺するだろうし、
その辺を描くことでバエルの価値やギャラルホルンという組織を、
深く広く表現することもできるだろうとわかるだけにねー。
主人公はあくまで鉄華団だからそっちを掘り下げる余裕はないかもだし、
時間の制約もあるんだろうけど、いろいろもったいねー!(苦笑い)


■あれ、アトラちゃんもしかして…?


衛生兵の役もやらなくちゃいけないアトラちゃん。
本当に鉄華団にとってこの子がいてくれることがどれだけ救いになってるか…


それもこれもミカのせい(おかげ?)だが、
ハッシュとの会話に「あれ?」と感じたのは俺だけではないはずだ。
「ちょっと変わった」のが、先々週、ミカと二人きりで会話したことに起因するのか、
それとも二人きりでもっと深いことがあったのか…?
でもなあ、アトラに子供ができちゃうと、
それはミカの死亡フラグにもなるから、痛し痒しなんだよねー(汗)。

「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」のネタバレが入ります。


昨日の「鉄血」ではメインキャラの一人、シノが死んだ。
「鉄血」はちょいちょいメインキャラが死に、その死に方もけっこう克明に描かれるし、
理不尽な殺され方をすることも多い。
またガンダムにしては珍しく、主人公も含めたメインキャラたちが、
悲惨な境遇から何とか這い上がろうとする話でもあるだけに、
それを為せないまま死んでしまうことに、強い無念さを覚えてもしまう
(主観ですがガンダムの主人公やメインどころって中流以上の裕福な家庭に育った人が多いように感じるので)。
で、昨日の放送後の感想サイトやツイッターを見てみても
「もうこれ以上誰も殺さないで」と悲痛さをおぼえている視聴者も多いみたいだ。


が、そんな視聴者が多い中、
あまりその部分(キャラの死)に関心がいっていない自分に気づき、
彼らに比べてスレちゃってるのをあらためて自覚してしまいました(苦笑い)。


これは別にフィクションのキャラの死にどうのこうのというのではなく、
「鉄血」の視聴者層はおそらく10代~20代がメインなんだと思うけど、
彼らに比べてぼくは2倍から4倍くらいアニメやらなにやら観てきた人間で、
その分「キャラの死」に出くわす回数も多く、
その辺の感性が磨耗しちゃってるんだろうなと(苦笑い)。


ぼくも10代、あるいは一ケタ代の頃は、
そりゃあキャラの死に強烈なショックを受け、
しばらく気分悪かったことも多々あったからね(苦笑い)。
記憶を紐解けば、ザンボット3の人間爆弾&ラストに向かっての皆殺しモード、
イデオンのとにかく殺して殺して殺しまくる(赤ん坊含む)ラスト、
ダンバインのみんな死んで転生で落着。
ここまで全部トミノさんですが(笑)。

もちろんこれだけじゃなく、
理不尽な死で思い出すのはダグラムのフェスタ、手榴弾の誤爆があるし、
リアル世代ではないけどデビルマン(原作)のジンメンとか美樹の生首とか、元祖皆殺しとか(笑)。

あとタッチの上杉和也、あしたのジョーの力石も、
生き死にに関わる内容のマンガじゃないだけに、衝撃は強かった。

それとアニメじゃないですが、
「太陽にほえろ」みたいなドラマでも、若手刑事殉職がお約束で、
最もメジャーなジーパンをはじめ、相当理不尽に死んでいくのも多いからなあ。


とまあ、パッと思いつくだけでもこれだけ大量のキャラの死に関わり、
忘れてるだけで(忘れてるってとこがすでにアレなんだが(苦笑い))
もっと他にもたくさん関わっているに違いなく、
だとすりゃあいいかげん深いショックまでは受けない程度の耐性が知らぬ間にできてしってたんだろうなと(苦笑い)。


ただ、死ぬ死ぬ詐欺、死んだ死んだ詐欺が横行していた
キン肉マンとか聖闘士星矢とかは思い入れがほとんどなかったなあ。
ファンの人には悪いんだが、
「どうせ生きてるんでしょ」と思うと白けた気分が拭えなかったものですから(苦笑い)。

ネタバレ入ります。


先週までで思想的なこととか戦略的なこととかは全部終わったので、今日は戦闘シーンのみ。
その意味ではあまり考えることはなく、サラっと観られた気はします。
死者が出ちゃったけどねえ…(泣)
次はお前だったか、シノ…(泣)


■ラスタルさま独壇場


数的な戦力はおそらくほぼ互角だったんじゃないかと思う。
ただアリアンロッド艦隊はラスタルのもと指揮系統も一枚岩だったけど、
マッキー軍は主力である地球外縁軌道統制統合艦隊と革命軍の練度に差があり、
鉄華団は遊撃隊として好きにやらせるしかなかった。


本来だったらアリアンロッド艦隊も
「ラスタル艦隊」と「イオク分艦隊」くらいに分かれていたかもしれないが、
ここにきてイオクのこれまでのバカを見逃してきたことが役に立っている。
イオクもさすがにここまでアホやらかしたら自分勝手に動くことはできず、
ラスタルの副官(というより監視)として立ってるだけ。
そしてイオク艦隊――あの忠誠心厚いイオクの部下たちは、
これまで主君のアホを見逃しまくってくれてきたラスタルに感謝があり、
「ラスタルさまの言うことを聞くことがイオクさまのためになる」と、
ラスタルの直接指揮を全身全霊で聞くことになる。


さらに加えて敵中に伏兵を置いて、
禁忌兵器ダインスレイヴを先に使ったことにさせ、
自分たちが同じ武器で報復する大義名分を作る。
実際、あれだけ大量のダインスレイヴを用意しておいて、
しかもきっちりとした隊列を組んでの射撃。
「前もって用意して訓練してたとしか思えん」と後で問題になるかもだけど、そこは勝てば官軍。
勝った後ならなんとでもなるからな。


というわけで今週はマッキー、最初から最後までやられっぱなしだったね(苦笑い)。
というか、相変わらず杜撰(ずさん)というか、
政治的謀略家としては優秀かもしれんが、
戦略家、戦術家としてはイカンのじゃないかな(苦笑い)。


■ジュリエッタちゃん、三日月に完勝


今回はさらに、ジュリエッタちゃんが三日月に完勝だったね。
正面切っての戦いではなく、戦略的意味で。


今日は三日月と二回戦ったわけで、
第一戦がダインスレイヴを使うまでの時間稼ぎにバルバトスの動きを制限すること。


今のバルバトス・ルクスレクスは、一対一ではもう抗いようがないでしょう。
できるとすれば、同じガンダムフレームで、なおかつ阿頼耶識を搭載して、
さらに強烈にカスタマイズされた機体くらいで、
それこそバエルやキマリスヴィダールじゃないと。


だから本来であればキマリスヴィダールを使う方がいいんだろうけど、
ガエリオはあくまでラスタルの部下ではなく協力者で、
さらにバエルが出てきたときのために備えないといけない。
ガエリオにしても、マッキーと戦う方が本懐で、
そっちをおろそかにするわけにはいかない。


そうなるとまがりなりにもバルバトスとなんとか戦えるのはジュリエッタちゃんしかいない。
他のザコMS、パイロットじゃ、足止めすらできず簡単に蹴散らされるだけだ(苦笑い)。
だからラスタルの「お前しかいない」というのは、
決して誇張でも世辞でもないんだろう。


それらすべてをわきまえ、
機体の損傷も覚悟の上で全力で狼王につっかかるジュリエッタちゃん。
おそらくバルバトスの動きとか研究もしてたんだろうなあ。


あれでバルバトスを足止めしてたからこそ、
ダインスレイヴを使い、一気に圧倒的優勢に戦況を持っていけた。
もしバルバトスが自由にふるまっていたら、
ダインスレイヴ部隊に突っ込んでって、
大部分をボッコボコに破壊してただろうからね(苦笑い)。


だからミカは本当は、ジュリエッタちゃんを振り切り、
ダインスレイヴ部隊へ突進していくのが一番よかった。
ただあの段階ではあの部隊について、
まったく知識もなかったわけだからそこは仕方ない。
だけど第二戦、シノの特攻を失敗させたのは、完全に三日月のミスだ。


戦艦による特攻と思わせて、
流星号のスーパーギャラクシーキャノンで敵旗艦の撃沈。
これが鉄華団窮余の一策、最後の賭けというのはわかってた。
だとするなら、絶対どんなことがあっても、
シノが撃つまで敵機に流星号の邪魔をさせてはいけなかった。
ジュリエッタちゃんに最後の最後、発射の瞬間に攻撃を許すなんてありえんよ。
相手の方が圧倒的に強くてまったく余裕がなかったのならともかく、
圧倒的に強くて余裕があったのは自分の方なんだから、
これは完全に凡ミスで絶対に許されん。


あの瞬間、鉄華団の意図を悟り、バルバトスという最凶の敵と戦いながら、
ラスタルを守るため攻撃を仕掛けたジュリエッタちゃん。
気迫と執念と執着心で、今回は完全に三日月を上回ったな。
ジュリエッタちゃんたちとの実力差もあり、
もともとあの少しズレた余裕が強みではあるけど、
今回は完全に余裕と油断を履き違えた三日月。
珍しく完敗でした。


■そこまで狙うか制作陣(笑)


笑っちゃいけないんだが、ヤマギにそこまでやらすか、公式で(笑)。
もう腐女子のみなさんに餌蒔きまくりじゃないですか(笑)。
逆にあそこまで露骨にやっちゃうと、
返って興ざめになってしまわないか心配になるくらいでしたがな(笑)。


あそこまでやっといて、
「死んだ兄貴がシノに似てたからあそこまで執着してただけで、そういうケはヤマギにも無い」
という裏設定があったりしたら、それはそれでおもしろいが(笑)。


しかしまあ、そのケがあったとしても、
シノに最期に告白するってわけにはいかないから、そこは気の毒だよなあ。
シノだと反射的、本能的に引きそうだし、
そういう恐れがある以上、どうやったって告白はできない。
悲恋だねえ…


■アトラが健気すぎて…


全編戦闘シーンだった今回、アトラの出番は少なかったけど、
それだけに彼女は本当はあそこにいちゃいけないんだと、
あらためて感じてしまいましたよ。
戦闘食作り続けて、キッチンの片隅で頭をかかえて「怖くない怖くない」と繰り返して。
あれほど戦場に似つかわしくない女の子が鉄華団にいるのは、ひとえに三日月のためだけ。
ミカは戦えなくなったら絶対に農場に行って、そこでアトラと穏やかに暮らしてあげないと。


■本当に「残念」とか「惜しい」とかが似合うイオクさま(苦笑い)


「バカは死ななきゃ治らない」を地でいくタイプだけに、
たぶん根本的には治ってないイオクくん。
それでもさすがにここまで失敗・失策を重ねると、
熱さも喉元を通っている最中だろう。
過ぎればまた復活するだろうが、今はおとなしくしている。できている(笑)。
そして彼が動かずしゃべらないだけで、
なんと事がスムーズに、思い通りに動いていくことか(笑)。
動いても動かなくても無能さをさらけ出せる、
ちょっと類を見ないほど希有なキャラクターだな、イオクくんは(笑)。


そのクジャン家当主、
シノの最期の攻撃から守ろうと、ラスタルの前に立ちはだかる。
ああいうシーンって他のアニメでもちょいちょい見る気はします。
あれは砲撃の前にはまったく無意味なんだけど、
それでも忠誠心と覚悟の現れとして、
見てる方に感動や敬意をおぼえさせるいいシーン。


だけどイオクがやるとどうしても
「いやそれ意味ねーから」の方が前面に出てきちゃうんですよね(苦笑い)。
同じ行為なのにこれほど印象が違う。
人は普段の行いって大切なのねえ、とフィクションですら学べる気になるよ(笑)。
自業自得とはいえ、残念、惜しい、イオクくん(笑)。


■マッキー、ラスボス補正で突破か(苦笑い)


ここまで三日月同様、まったくいいところがないマクギリス。
バエルを出して兵を鼓舞し、志気を高め、残存兵力を糾合していくのはいいけど、
このあと逆転の策があるのか?
ここまでこのテのことは、無策というか、
意外と行き当たりばったりなことが多いだけに、
そんな良策がある気がしないのよね、マッキー(苦笑い)。
だいたいダインスレイヴ部隊も残ってるわけだし、
残存兵力を集めても的にされるだけで終わっちゃう可能性が一番高い。
ジョーカーである鉄華団もすでに打つ手なし。
普通に考えればこのまま全滅エンドだけど、
とはいえこのまま完敗して戦死ってのはラスボス的にありえないし、
その辺の補正がかかるのかな(苦笑い)。


■本質はイオクと変わらないラスタルさま


経験や能力はともかく、
ああいう形で味方を殺すことにためらいを見せないラスタルは、
やはり本質はイオクたちと変わらないんだなとわかる。
自分たちより身分、というより存在が低い者は、人として扱う必要はない。
それまではギリ憎めないヤツだったイオクが、
視聴者的に絶対に「ダメ」となったのは、
非武装の民間人を虐殺したところからだけど、
ラスタルもそこは同じだと、ちょいちょい見せてくる。


ジュリエッタちゃんを大事にする心にも嘘はないだろうけど、
それでも絶対的な「ライン」は存在すると思う。
そのラインの内側では大切にするけど、必要とあらば外側へ押し出す。
それも本人が気づかないやり方で。
今回のバルバトス迎撃命令は、おそらくそれだ。
ジュリエッタちゃんの力ではバルバトスに対抗しようがないとわかっていて、
それをフォローする対策はなにも与えず、強行させる。
ジュリエッタちゃんが死んだら死んだで構わないと考えているとしか思えない。
マクギリスの、ガエリオやカルタに友情を感じていたという言葉に嘘はないとぼくも思う。
だけど彼の中では二人に対して厳然たるラインがあった。
その意味では、理由や質は違えど、マッキーとラスタルは同種の人間だ。


ガエリオは石動のことを「人がここまで愚かになれるとは!」とののしっていたけど、
ジュリエッタちゃんも同じ「愚かな」人種だとわかっているんだろうか。
つまりそうさせているラスタルが、マクギリスと同じ人間だとわかっているんだろうか。
わかっているんだとすれば、
やはりラスタルとの関係は妥協で、心底からつながってはいないんだろうな。


■鉄華団色に染まる


ハッシュたちもいつの間にか鉄華団の色に染まっていたな(苦笑い)。
その中でザックだけが変わらない。
あれは普通に考えると、組織内の異端者で、
足を引っ張る臆病者として描かれるっぽいけど(初期のカイ・シデンとか)、
おやっさんの言葉で、そういうのとは一線を画す大切な存在に見えてくるな。
タカキ同様、最後まで生き残ってほしいもんだ。

ネタバレ入ります。


今回は前回の急転怒濤の展開から、次のさらなる本格展開のためのつなぎみたいだったな。
どうしてもマッキー視点になってしまうけど。


■マッキーの戦略と誤算


マッキーの戦略は基本的には有効だったんだろうと思うが、
ガエリオが生きていて、
クーデター直後にカウンターのようにマッキーの謀略を明かしたのが相当効いてる。


仮にガエリオのカウンターアタックがなかった(ガエリオが死んでいた)としたら、
ギャラルホルンのお歴々も動揺や反発や不安はありつつも、
体と心と頭の隅々にまで染み着いたギャラルホルン的精神に縛られて、
マッキーに忠誠を誓っていたでしょう。
ラスタルやイオクのような強硬派も動揺は禁じ得ず、
渋々ながら忠誠を誓ったか、あるいは抵抗して武力に訴えても、
自分たちが「反逆者」の立場にあることもわかるため、
兵士も含めて志気は揚がらず、
各家族の兵力も糾合したマクギリス軍に壊滅させられた可能性は高い。
特にバエルが前線に出てきたら、兵士たちは攻撃できないよ。
花道ができてラスタルたちの旗艦まで一直線、一撃でブリッジを破壊されておしまいだ。


そのあとはマッキーがギャラルホルンを完全掌握してやりたい放題。


……だったんだけど、ガエリオが生きていてマッキーの「罪状」をさらしちゃったから、
重鎮たちにも兵士たちにも疑心や、抵抗の口実を与える大きな余地ができてしまった。


■やっぱりいろいろ大ざっぱなマッキー(笑)


ただなあ、32話でほぼ無策で前線に出たのもそうだったけど、
http://suntu500.blog.jp/archives/1062408978.html
マッキーは相変わらずどっか大ざっぱなんだよなあ(苦笑い)。
ガエリオが生きているかもしれないと、
まったく知らなかったのならしょうがないんだけど、
ちょっと前振りがあって、マッキー自身その可能性を考慮してたんだから、
もう少し対策立てておかないと(苦笑い)。
自分がクーデターを起こしたら、ガエリオはこう来るってわかってたはずなんだから。


まあそれでもバエルの威光で押し切れると思ってたんだろうけど
(「罪状」もまったく否定せずそれで押し切ろうとしちゃったし)、それにしてもね。
「あのガエリオはニセモノだ! ラスタルは偽のガエリオを仕立ててギャラルホルンの実権を握ろうとしているのだ!」
みたいにカウンターにカウンターをかますとか。
その際、彼がニセモノである「証拠」も事前にいくつもでっち上げておいて(笑)。
それだけでも相手の正当性はもろくなる。
内戦や内乱は正当性の強弱が、かなり大きなウェイトを占めるからね。
なにしろ戦ってるのが同国民同士で、自分たちが正義だと思えなければ、
とてもじゃないけど相手を撃ち殺すなんてできない。


ただどちらにしても戦闘に訴えないわけにはいかないだろうが、
しかし戦力差がでかいな。
単純にエリオン家・クジャン家連合vsファリド家で2:1か。
今回ボードウィン家は危なくて使えないしなあ。
戦闘中にガエリオに寝返りかねない(苦笑い)。


■「ジョーカー」鉄華団


だけどマッキーの、大ざっぱなりにたいしたところは、
ちゃんと保険をかけておいたところだろうな(笑)。
おそらく現・地球圏で最強の武装集団である鉄華団というジョーカーを、手元に置いていた。


たぶんマッキーは本当に鉄華団は
バエル奪取までの私的戦力としてしか使うつもりはなかったんでしょう。
アリアンロッド艦隊との戦いでも、前面には出さず遊軍扱いで、
彼らを使わずとも勝つか、勝ちを完全にするためトドメを刺すときに出てもらうか、
負けそうになったとき切り札として出てもらう。
そのくらいで考えてたんじゃなかろうか。
とはいえマッキーが各家の戦力を糾合できてれば、
得られる戦力は4家族分(ボードウィン家は除外)。
ラスタル・イオクが2家族だから、単純に2倍。
加えてバエルがいるんだから、よほどのことがなければ負けようがないでしょう。


その意味では今回鉄華団を前面に出さなきゃいけなくなったのは予定外だっただろうけど、
それだけに彼らを確保しておいたのは大きかった。
オルガに一発ぶん殴られるくらい、安いもんでしょう(苦笑い)。


ただこのことから、物語の中で最も広い視野を持つのはマッキーだというのもわかる。
ギャラルホルンの人間は、ギャラルホルンの枠内の世界や相手しか見ていないから、
その外側にいる鉄華団たちは最初から仲間に迎え入れようなんて発想は起こらない。
鉄華団(を含む庶民・下層階級)の方もギャラルホルンの内部事情なんて知らないし、そもそも知ったこっちゃない。
そのどちらも視野に入れて活用しているのは、マッキーだけだからね。


その意味では、ラスタルもマッキーに及ばない。
今回は伝説と歴史についていろいろ言っていたけど、
あれもギャラルホルン内だけでの話だ。
マッキーの最終目的は、おそらくギャラルホルンの解体と、新秩序の構築。
だからアグニカ・カイエルの伝説に頼ったわけじゃなく、利用したにすぎない。
その発想がないのが、やはりラスタルも坊ちゃん育ちで彼の限界なんだろうなあ。


■閑話休題。一つの疑問


それにしてもガエリオは、カルタの死もマッキーの謀略の結果だって、どうやって知ったんだろう。
確かそのあたりは、さすがにガエリオでもわからないと思ったが。
特にあれは、三日月がアレじゃなかったら死んじゃうところまでいくかわからず、
あくまで結果的に死んじゃったってところがあるし(苦笑い)。
「マクギリスの謀略だ」という結論を最初に想定し、
その結論にたどり着くため結果から類推・逆算して「真実」を導き出したのかな。
証拠の有無は、宣戦布告にはあまり意味はないからね(苦笑い)。
マッキーが否定しなかったから、なし崩し的に「事実」と確定してしまったけど(苦笑い)。


■セブンスターズの年齢構成


しかしセブンスターズの年齢構成、本当にバランスが悪いなあ。
見たところ七家族のうち、老年が一家族、壮年後期が三家族、若年が二家族で、
働き盛りの壮年がラスタルだけっていうのは。
老年のイシュー家はカルタが死んじゃったから仕方なく再出馬だったんだろうけど、
仮にカルタがいても若年が三家族になるだけだからね。
これまではそれで何の問題もなくやれてきたから、そんなこと考えもしなかったんだろう。
もしかしたらもっとバランスの悪い時代すらあったかもしれない。
10代が過半数とか、名目上とはいえ赤ん坊が当主だったとか。


本当は壮年後期(老年初期?)の三家族がもうちょっとしっかりすべきなんだろうけど、
坊ちゃん育ちのままあの年齢まで行っちゃったから、
今さら――長引くかあっという間に終わるかわからないけど――「乱世」に対応するのは難しいんだろうな。
その意味ではラスタルはたいしたものなんだよ、ホント。


今回は日和見をして、双方共倒れの後、漁夫の利を得ようと老獪さを見せたのかもしれないけど、
どっちかが一方的に勝った時、主導権は完全に握られるからな。
そこからじわじわと勢力回復を狙おうとしているのかもしれないが、
マッキーもラスタルも押しが強いから難しいんじゃないかな(苦笑い)。


■すでに「女」なアルミリアちゃん


アルミリアちゃんが予想以上に女だったね(笑)。
マッキーがアルミリアちゃんに言った言葉は、やはり嘘か、
それともまことの一部、それも最も奥底にある真意がこもっているのか。
それは終わってみないとわからない。
終わってもわからないかもしれないけど(苦笑い)。


■ロリコンvsロリコン(笑)


ところで、事実かどうかは別として、
マッキーをロリコンと断じる風潮ができあがって久しいが、
ガエリオも怪しくなってきてないか?(笑)
ジュリエッタちゃんくらいの年齢だとロリコンとは言わないだろうが
(だいぶ昔は高校生相手でもロリコン扱いだったが(笑))、
法律的にはやはりマズかろう(笑)。
鉄血の世界での法律がどうなってるかはわからないが、
そのテのネタは日本国の法律を元にして遊ぶことが多いからね(笑)。
二次創作でガエリオは、マッキーをロリコンとして非難してるのをよく見かけるが、
ちょっとおまいう(おまえが言うな)になってきたところもあるか?(笑)


■脇役降格中(笑)


そして現状まったくの脇役である鉄華団(笑)。
今の状況だと完全にオルガの手に余るからなあ。
なんかポンポンポンと進んで、
急に「これが最後の戦い」って話になっちゃってるけど、
残り話数からすると、それはないからな(苦笑い)。
それにOPの半身どころか全身不随の三日月も出てきてないし…


■どこまでいっても、すげえよミカは(笑)


その三日月は、ナチュラルに本能のまま行動するだけで、
強力すぎるイケメンスキルを発揮する、恐ろしいまでの主人公補正(笑)。
どこまでいっても、すげえよミカは(笑)。
もうさっさとアトラに子供作ってあげなさい(苦笑い)。

ネタバレ入ります。


何コレ、オルフェンズ急にメチャメチャおもしろくなった…!
アニメ観てここまでテンション上がったのも久しぶりなので、
今日は感情ダダ漏れの長文になり、
そのうえ大変とっちらかっていつも以上に読みにくくなってると思いますが、ご了承ください。
すいません(照)。


いやもちろん今までもおもしろかったんですが、
いろんな意味で俺のツボを突きまくってくれているんですよ、これが。
特にCM入り直前から後半にかけてはたまらんかった。


■新生ガエリオ、カッコよすぎ!!!


CM前にヴィダールがついに仮面を脱ぎ、正体がガエリオであることを明かした。
もう初登場の時から「いったい何リオなんだ…」と言われ続けていたけどもね(笑)。
もっともそれだけに、「なんだヒネり無しか」とちょっと感じましたが(苦笑い)。
でもだけど、そんなの全然関係なくなるほどガエリオめっちゃカッコよくなっとる…!
思わず惚れそうになるほどでしたよ、マジで(苦笑い)。


作画的なものもあるんだろうけど、なんというか、人間がすごく深くなっていた。
こういう「裏切られて死んだはずのキャラが実は生きていた」のパターンだと、
変にヒネくれてたり、妙に人間不信になってたり、
復讐に凝り固まって見境のない男になってたりってことが多かった気がするけど、
ガエリオは全部当てはまらなかった。


親友と思っていた男に裏切られ殺された、怒りと憎しみと悲しみとはあっても、
それに翻弄されることなく自分の中に深く溶かし込み、視野を広げ、価値観を増やした。
おそらくマクギリスに対しても、
憎悪はあってもどこか彼の心情や生き方を理解してもいて、
その上でなお、否定してみせようとしている。
自分が謀殺されたのも、
「ガエリオ個人」だからではなく「ボードウィン家の御曹司」だから殺されたのだとも理解している。
その聡明さがあるからこそ、復讐心に翻弄されないんだ、ガエリオは。


アインの阿頼耶識化、カルタの死から自分が殺される流れの中で、
自分の視野が狭く、生きてきた世界が小さかったかというのも思い知らされたんでしょう。
頭ではわかっていたつもりだったけど、体ではわかっていなかった。
その甘さと小ささが、自分にマクギリスを理解させなかった。
ヴィダールになったガエリオには、小さい自分を正面から直視し、受け入れる器があった。


そしてなお、今の自分でもマクギリスに及ばないと思ってる。
器が大きくなり、聡明さが増したからこそ、わかる。
坊ちゃんで甘ちゃんだった自分が多少世間を知り大きくなったとしても、
マクギリスが培ってきた同じものには対抗しようがない。


それでも自分が生きてきた時間や世界が無価値で無力だとも思わない。
昔「アキハバラ電脳組」っていうアニメがあって、
そこでヒロインの13歳の女の子が、(たしか)100年を生きてきた真のラスボスに
「あたしの13年は、あんたの100年に負けないんだから!」って啖呵切るシーンがあって、
ぼくはここが大好きなんですが、ガエリオも同じ感覚があるんじゃないかと思う。
13年は100年に比べれば確かに短い。
知ってることも、得たことも、微々たるものでしかないかもしれない。
それでも培ってきた13年で得たものは本物だ。
小さくても足りなくても、キラッキラの本物だ。
その力は、100年にだって絶対に負けない。

自分の甘さを培ってきてくれた人たちを信じて、ガエリオはマクギリスと戦う。


もっともやっぱりつけこまれるはつけこまれるね、甘さには(苦笑い)。
バルバトスがやってくるのを見抜けなかった(笑)。


■疑似・阿頼耶識システム


今さらだけど阿頼耶識は脳に直結して、脳にダメージを与えるものなんだな。
そりゃそうか。
じゃなかったらミカはバルバトスとつながったところで手足は動かないままだものな。
だから疑似阿頼耶識の脳がアインである以上、ガエリオにリスクはないんだ。
補助脳っていうとネクスタントを思い出すボトムズ世代ですが(笑)、
システム的にはどうなってるんだろう。


阿頼耶識は「感覚」を補整・増強するするもので、
あくまでモビルスーツの操縦はパイロットの手足でおこなう。
アインの脳に自我はなく(ないはずだよね(汗))、
ただ阿頼耶識の「感覚補整」装置にすぎない。
ガエリオが見て「敵」と認識したものを、
アインの脳がガエリオの手足を動かしてガンダム・ヴィダールを操縦する。
だからガエリオの感覚としては、自分の体が勝手に動くって感じなのかな。
慣れないといろいろ難しそうだけど、
そのあたりの調整や訓練はこれまでずっとやってきたんだろう。


■そしてマッキーも…


そして…マクギリスも手術していたのか、阿頼耶識。
少年時代のヌードが公開されていたが(笑)、そのとき背中に手術痕はなかったし、そもそもギャラルホルンで蔑視されている手術を施した子供だったら、多少優秀でもファリド家の後継者に目されるはずがない。


だとしたら物凄い覚悟で手術したんだな、マッキー。
おそらく手術したのはアインなどを使っての研究後。
17歳ですら遅いとされる手術を、20代もずいぶん過ぎて強行するなんて、
死んだり半身不随になったりする可能性の方がずっと高かっただろう。
ギャラルホルン内で研究していたといっても、もともと恥部として葬り去られていた技術。
「実践」の数からいって、火星の底辺部より未熟な技術しかなかったかもしれない。
それでいてなお…だとすれば、マッキーの覚悟は凄まじい。
そしてガエリオにもそれは理解できる。
それだけにマッキーに、ただの憎悪に染まらない心情があるんだろう。


だけど阿頼耶識は禁断のシステムで、
ギャラルホルン内では生理的嫌悪感すら持たれているように見える。
ジュリエッタちゃんの評が一般的なんだろう。
そういうものを身につけるのは、不利にならないだろうか。
なにしろ生理的嫌悪感って頭で切り替えようとしても、なかなかうまくいかないものだしな。
Gを理屈をつけて嫌いになるまいとしても、なかなか無理と思う人も多いだろうしね(苦笑い)。


■錦の御旗、ガンダム・バエル


ガンダム・バエル。
観ながら「錦の御旗だな」と思ってたらラスタルがそのまんま口にしてた(笑)。


マッキーもバエルの「象徴力」だけで事を納めようと思ってるわけじゃないだろうけど、
物凄く大きな力だというのは確かだ。
ギャラルホルンという組織に疑いを持たず、
権威も実力も絶対のものだと信じている人にほど効果があるというのが特に大きい。


マクギリスを否定しても、マッキーが持つ「バエル」の象徴力は絶対に否定できない。
敵対するにしてもためらいはあり、銃口を向けるにも相当の覚悟が要り、
発砲するとなればどれだけ精神的な負担になるか。


中には中立を保つ人や勢力もあるだろうけど、それだけでもマッキーに有利だ。
そうやって自分に有利な状況、少なくとも不利ではない状況の中で、
勝利を重ね、既成事実を積み上げていってしまう戦略なんだろう。


■三機のバケモノ・阿頼耶識搭載型ガンダムフレーム


ここで実戦力として鉄華団の力が大きくなるよね。
なにしろバルバトス一機で、
ギャラルホルン本拠地のモビルスーツをすべて無力化できてしまうんだから、
ちょっとヤバいくらいだよ(苦笑い)。

そしてそのバルバトス・ルプスレクスを含めた、
阿頼耶識搭載型ガンダム・フレーム三機がそろったところはカッチョよすぎでしたわ!
なんとういうか、「怪獣大決戦」のフレーズすら頭に浮かんだ。
そのくらいバケモノじみた強さを感じる三機だったよ。
おそらく現地球圏でモビルアーマーをのぞけば無敵の三機だろう。


それぞれの出自やイメージが違うのもいいよね。

墜ちた貴公子。アウトロー。
地獄を見た「二人」が駆る禁断の技術を搭載したガンダム。
収斂された復讐心を研ぎ澄ました刃と化し、
マクギリスと彼に協力する勢力を両断する、ガンダム・ヴィダール。


初めて姿を現しながら、その威光、潜在能力は見ただけで伝わる。
他者を圧倒し、君臨する暴君。
彼が本性を発揮したとき、蹂躙されざる者なし。
絶対王者、ガンダム・バエル。


永き時間を地に埋もれ、打ち捨てられた餓狼。
近づく者は食いちぎり、逆らう者は食い破る。
弱肉強食の無法地帯を圧倒的な暴威で制圧してきた狼王。
ガンダム・バルバトス・ルプスレクス。


安っぽいコピーみたいになっちゃったけど、
なんかそれぞれの格闘団体の王者が集まっての統一戦くらいのイメージがあるんですよねえ(笑)。
正統派の二機に対し、完全なる野良犬剣法のバルバトス。
正統派だから強いわけじゃない。野良犬だから強いわけじゃない。
登ってきたルートが違うだけ。
身につけた「強さ」のみは全員本物にして互角。
過程なぞどうでもいい。おまえの「力」だけを見せてみろ!
…ってな感じで(笑)。


今回は顔合わせだけ。
あそこで引けるガエリオも本当に強い。
三つどもえの本物同士の戦い。
でもモビルアーマーとかその他いろいろあるし、
最終的にどうなるかはわからんな。


■作中で一番恵まれてるかもしれないイオク様(笑)


イオクは本当に人望があるな(苦笑い)。
ただ、民間人の虐殺という絶対的に許されない暴挙をおこなった人間をあそこまで信奉する部下の心情が、
ちょっとわからなくて困ってます。


一つ思いついたのは、イオクの部下もギャラルホルンの傘下にある、
言ってみれば「中流家庭」の子弟も多いのかもしれない。
その感覚は、高度急成長時代からバブル期にかけての、
日本の大企業の社員みたいなものかも。
「ギャラルホルングループ・株式会社クジャン」代表取締役イオク・クジャン。
会社が一つの家族で、法律や道徳より「会社」や「上司」が第一。
そしてそれが「神聖」ですらあった。
しかも「社長」が彼らの死に心から涙して、
忠誠に報いようと本気で死を覚悟するまでやってくれたなら、
ますます心酔しても不思議はない。


さらにギャラルホルンを国家とすると、
火星のような植民星の人間や、テイワズに所属のような人間は、
19世紀頃の黒人に対する白人のような、あからさまな人種差別対象だったのかも。
「あいつらは人間ではなく動物と同じだから、殺しても虐殺とは言わない」
そんな風に思われて、公言すらされてたからね、ワタシら有色人種は(苦笑い)。


こんなだとすると、虐殺までしたイオクに対する忠誠の厚さもわかる気はする。
もっともこれが事実なら視聴者にはますます嫌われるけども(苦笑い)。


それにしても今さらだけど、ガエリオどうやって生きてたんだろうな(笑)。
来週あたり、そこら辺も見せてくれるかな。

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