ぼくは「ナルト」をほとんど知らなくて「ボルト」を観ている稀少組ですが、
それだけにちょっと違う視点みたいなものも得られているかもしれないな。
といってもそんなご大層なものでもないだろうけど(笑)。


今アニマックスで「ナルト」の再放送がやっているので、
ちょいちょい観て補完したりもしていますが、
大人のナルトやヒナタを最初に知って、
それから子供のみんなを観ているから、かなりおもしろい(笑)。


ボルトはかーちゃん派だけど、
これはとーちゃんへの反発からかーちゃん寄りになってるところもあるんだろう。
それでもとーちゃんを嫌ってるわけでもないし、
映画版のナルトが作った巨大螺旋丸から、
とーちゃんがどれだけ凄まじい人生と戦いを生き抜いてきたかを心から感じ取っただけに、
尊敬や誇りも強く感じているはず。
だけどまだ「子供」が抜けきっていないから、
昔の一緒にたくさん遊んでくれたとーちゃんを引きずっていて、
自分でもどうしていいかわからない、という感じなんだろう。


ナルトの方も、子供だったボルトが思春期に入って、
これまで通りの接し方じゃダメだとわかりつつ、
じゃあどう接すればいいかまではわからなくて手詰まり状態になっている。


そんなわけで親子ともども、相手への距離感をつかめず、
ビミョーにムズムズするような、腫れ物にさわるような接し方をしている(笑)。
この「ムズムズ」を感じさせてくれるあたり、
監督も脚本家も声優さんもみんなうまいなと感嘆しています。


あと、一家の中でかーちゃんが最強なのは、
家庭円満の秘訣じゃないかと思っております(笑)。


そういえば「ボルト」からの後発組として気になるのは、
ヒナタやサクラがダンナを「くん付け」で呼ぶところかな。
これは「ナルト」を観てた人たちにとっては自然なことで、
むしろ変わったらおかしいと感じる部分なんだろうけど、
なんとなく「あなた」とかそれらしい呼び方にした方がいいんじゃないかなと感じてもいます。
ヒナタがナルトを「主人」と呼んだり、
サクラがサスケを「あの人」と呼んだのにしっくりきたものですからなおさらね。


それにしても「ナルト」を観てた若年層にとって
「ボルト」はちょっとした教育番組になるかもしれない。
思春期や20歳そこそこの頃は、親が何を言っても聞く耳持つ気にならないけど、
親は親でそれなりにいろんな経験をして、
その中から得てきたものを根拠に子供に説教したり意見したりしてる。
でも親にもその「経験」を伝える術がないから、
子供からすると「大人は汚い」「大人はわかってくれない」になる。
だけど視聴者は大人ナルトたちが、どれほどの戦いや人生を経験をしてきたか知ってるから、
決してボルトたちに理不尽なことを押しつけているわけじゃないとわかる。
こういう「親視点」を疑似体験できる作品は、
なかなかに貴重なんじゃないかなと思ってたりします。